ゆとり教育 [教育]
「 文部省のさァ、ゆとり教育って、おかしいんだよ。
ゆとりなんてものは、厳しさを耐えて出てくるものなんだ。
はなからゆとりがあるってのは、だらしがねェってことだよ。」
永 六輔
伝言
岩波書店 (2004/2/22)
P66
P83
居心地の良すぎる空間にいると、人間は言葉が減ります。
言葉を発して誰かに異を唱えたり、自分の意思を伝える必要が泣くなり、コミュニケーション能力が衰えていきます。
わが子を思う気持ちがあるのなら、あえて居心地の悪い状況を経験させる、という選択肢を考えてみるべきではないでしょうか。
藤原和博
P93
しかし、もしも「受験で苦しい思いをさせたくないから一貫校へ」と本当に考えておられるとしたら、「苦しい思い」をしないことがお子さんの成長にどんな影響を与えるのか、冷静に考えるべきかもしれません。
たとえば、筋力トレーニングでは筋肉に強い負荷をかけ、筋組織をいったん破壊することによって、痛みを伴いながら筋肉の増強を促していきます。
これと同じように、人間の心も適度な負荷(ストレス)をかけることによって、鍛えられていく部分は確実にあります。
田中ウルヴェ京
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2010/7/23)
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
- 作者:
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
P171
1960年代後半以降、大学は入りやすくなった。もっとも大学に入りやすかったのは1972年で、大学に行きたい人の75%が入ることができた。
これから後は、また大学受験が難しくなっている。1980年代後半には競争率が高くなり、1990年に難しさが最高の数値となる。この時の合格率は65%を下回っている。
ここをピークにとして大学受験はやさしくなってゆく。1997年には、また合格率が75%を超えて、2004年は、大学に行こうという人の85%が入ることができた。
今、大学は非常に入りやすくなっている。~中略~
ただし、どこの大学でも入ればよいという受験生は、ほんの一部である。多くの受験生が入りたいと思う大学は、やはり入るのが難しい。
非常に難しい大学があるいっぽう、それよりはるかに多くの、受ければ入れるという大学が存在する。
P173
日本の場合、ここ20年で大学の受験問題がやさしくなっている傾向にある。40年前に使われていた「予備校の基礎教育の問題集れべる」の問題が、今は普段の授業の問題になっている。
さらに少子化によって、個々の子どもに合わせた教え方とかいう発想が入ってきた。学生が多くいるときには、個々の子どもに合わせるなどと言っていられなかった。子どもがついてこられなければ、それで終わりである。
子どもが少なくなると、学生を集めるために塾や予備校は子どもや親の機嫌を取る。
どうしても個々の子どもに合わせた教え方をしようとする。すると子供は本来の難しさを体験せず、勉強することになる。
子どもが減って、50%を超える18歳の学生が大学に進学するというとき、そんな教育をしていては国の未来は暗い。
世の中の罠を見抜く数学
柳谷晃 (著)
セブン&アイ出版 (2013/3/1)
コメント 0