SSブログ

ほめて育てる [教育]

 もしあなたが、相手の持つ何らかの性向を、彼らが自ら進んで伸ばすようになってほしいと思うなら、相手がそのような性向を少しでも見せたとき、大いにほめてあげることです。

デール・カーネギー 著
田中 孝顕 訳
こうすれば必ず人は動く
騎虎書房
P144

こうすれば必ず人は動く

こうすれば必ず人は動く

  • 作者: デール・カーネギー
  • 出版社/メーカー: きこ書房
  • 発売日: 2015/08/09
  • メディア: Kindle版


-eb29b.jpg福岡市植物園

まわりの人が持っている何らかの性向を彼ら自身の手で伸ばしてもらいたいと思うなら、相手の名誉となるような期待をかけてあげること。あなたが相手にしてもらいたいと思う行為を、その人ができるのだと信じてあげること。
P147

人を指導するということは、普通そんなに難しいことではない。その人がある分野で持っている能力に対して、心から敬意を表せばよいのだ
                           サミュエル・ボークレイン

こうすれば必ず人は動く

こうすれば必ず人は動く

  • 作者: デール・カーネギー
  • 出版社/メーカー: きこ書房
  • 発売日: 2015/08/09
  • メディア: Kindle版



 

P15
「三十年前に、わたしは人をしかりつけるのは愚の骨頂だと悟った。
自分のことさえ、自分で思うようにならない。神様が万人に平等な知能を与えたまわなかったことにまで腹を立てたりする余裕はとてもない
ジョン・ワナメーカー

P16
世界的に有名な心理学者B・F・スキナーは動物の訓練では、善いことをした時に褒美をやった場合と、間違った時に罰を与えた場合とをくらべると、前のほうがはるかによく物事を覚え、訓練の効果が上がることを実証した

「われわれは他人からの賞賛を強く望んでいる。そして、それと同じ強さで他人からの非難を恐れる」
ハンス・セリエ

P283
 人を批判する際、まずほめておいて、次に”しかし”ということばをはさんで、批判的なことをいいはじめる人が多い。
たとえば、子供に勉強させようとする場合、次のようにいう。
「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、ほんとうに鼻が高いよ。
しかし、代数をもっと勉強していたら、成績はもっと上がっていたと思うよ」

 この場合、”しかし”という一言が耳にはいるまで、ジョニーは激励されて気をよくしていただろう。ところが、”しかし”ということばを聞いたとたん、今のほめことばが果たして本心だったのかどうか疑いたくなる。
結局は批判するための前置きにすぎなかったように思えてくる。信頼感がにぶり、勉強に対するジョニーの変えようとするねらいも失敗におわる。

「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、ほんとうに鼻が高いよ。
そして、来学期も同じように勉強を続ければ、代数だって、ほかの課目と同じように成績が上がると思うよ」
 こういえば、ジョニーはほめことばのあとに批判が続かないので、素直に耳を傾けるだろう。これで、ジョニーに変えさせようとした問題が遠まわしに知らされたことになり、その結果、彼は期待にこたえようと努力するだろう。

P303
「ほめことばは、人間に降りそそぐ日光のようなものだ。それなしには、花開くことも成長することもできない。
われわれは、事あるごとに批判の冷たい風を人に吹きつけるが、ほめことばという温かい日光を人にそそごうとはなかなかしない」
ジュス・レアー

P308
だれでもほめてもらうことはうれしい。
だが、そのことばが具体性を持っていて初めて誠意のこもったことば、
つまり、ただ相手を喜ばせるための口先だけのものでないことば、として相手の気持ちをじかにゆさぶるのである。

 われわれには、他人から評価され、認められたい願望があり、そのためにはどんなことでもする。だが、心のこもらないうわべだけのお世辞には、反発を覚える。

重ねていう。本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果をあげる。小手先の社交術を説いているのではない。
新しい人生のあり方をを述べているのである。
~中略~
批判によって、人の能力はしぼみ、励ましによって、花開く。

デール・カーネギー (著) 香山晶 (訳)
人を動かす
ハンディーカーネギー・ベスト 
創元社 (1986/11)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

ハンディーカーネギー・ベスト (3冊セット)

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1986/11/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


認知・承認とは、相手を褒めることではありません。

コーチは、くれぐれも”褒めて相手を動かそう”と思わないこと。
このような動機づけをすると、相手はそれを心のどこかでキャッチし、「所詮、コントロールするために言葉をかけているのだろう」と思ってしまします。
コーチングは、つねに相手を支援する立場であって、相手より上の立場で行うものではありません。
褒め言葉が悪いわけではありませんが、コーチは、言葉の影響をしったうえで使うことが望ましいでしょう。
~中略~

コーチが「私メッセージ」を使って相手から受けた影響を伝えると、相手はすんなりと受け入れやすく、また、自分の影響力を知ることができて、自信が湧いてきます。
このように、相手の自尊感情を高め、未来に向かう心のエネルギーを補給するのです。

喜田 菜穂子 (著)
きほんからわかる「ビジネスコーチング」 
イースト・プレス (2008/10/17)
P74

きほんからわかる「ビジネスコーチング」―図解 (East Press Business)

きほんからわかる「ビジネスコーチング」―図解 (East Press Business)

  • 作者: 喜田 菜穂子
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2008/10/17
  • メディア: 新書


 相手を一番喜ばせるほめ方は、少々戦略的ではあるが、陰でほめることだ。
といっても、ただ陰でほめるだけでは意味がない。そのことが、確実にほめた相手に伝わらなければならない。

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P202

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)

  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2011/03/22
  • メディア: 文庫



 P140
 ウィンザー効果とは、第三者を介した情報、逸話のほうが、直接伝えられるよりも影響が大きくなるという心理効果のこと。
ミステリー小説「伯爵夫人はスパイ」に登場してくるウィンザー伯爵夫人のセリフ「第三者の褒め言葉が、どんなときも一番効果があるのよ、忘れないでね」が由来とされています。

P142
さて、ウィンザー効果を使うとき、意識しておいたほうがよいことがあります。
それは「嘘も100回言えば本当になる」という心理効果。
 人に何かを納得してもらいたいと思うとき、メッセージを断続的に繰り返す、あるいは、ソースを別に見せかけた複数の人から何度も伝えると、説得力が増大しますよ、というもの。
 洗脳というにはあまりに単純な方法ですが、人間の脳そのものが意外に単純な面を持っているので、非常に有効です。

脳はどこまでコントロールできるか?
中野 信子 (著)
ベストセラーズ (2014/8/19)

脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

脳はどこまでコントロールできるか? (ベスト新書)

  • 作者: 中野信子
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2015/07/17
  • メディア: Kindle版



P124
 たとえば、子育てについて書かれた本などには、「褒めて育てる」「子どもに自信をつけさせるにはとにかく褒めて、それが子どもの成功を約束する」とういうような内容が必ずと言っていいほど載っているでしょう。
 もしかしたら、少し年齢が上の世代になると、「厳しく躾(しつ)けることが重要」という考え方をもとに教育された方もいらっしゃるかもそれませんが、最近の教育の基本方針は、そうした厳しい教育とは全く逆の方向に行っているようです。
 近年刊行されたものを見渡せば、数点、逆張りのような論調のものが見られるほかは、ほとんどが褒めることをベースにした主張の書籍でしょう。
~中略~
 このやり方は、一見正しいように思えます。
 たしかに、いつも「いい子だね」と伝えて育てることで、自信に満ちあふれた幸せな子どもに育ちそうな気がするでしょう。実際、そういう教育を実践している人も多いでしょうし、意識的にそうしようと考えてはいなくとも、なんとなくそういう方向が正しいと感じて無意識的にそうしてしまっている、という人が少なくないのではないかと思います。
 でも、このやり方に「一度も違和感を持ったことがない」という方は、意外と少数派なのではないでしょうか? たまにはお小言を言ったほうがいいんじゃないの・・・・・? 

P134
 褒め方には注意が必要で、その子のもともとの性質ではなく、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価することが、挑戦することを厭わない心を育て、望ましい結果を引き出す、と研究チームは結論づけています。

P167
 それでは、才能はどうやったら伸ばすことができるのでしょうか?
 どうしたら「困難への挑戦を喜び、創意工夫を楽しんでいくことができる人」に成長させてあげられるのでしょうか?
 子どもに限った話ではなく、「人材を育てる」という観点からも、これは重要な課題といえるでしょう。
 素質をただ無条件に褒められた子が挑戦を厭うようになる一方で、努力や工夫を褒められた子どもは、困難を喜んで受け入れ、自分の失敗をむしろ学びと考える傾向が高くなったという結果から単純に導き出せるのは、「その人の努力や工夫に焦点を当てて褒めていこう」という原理です。

P171
江本孟紀(えもとたけのり)さんの「野球バカは死なず」(文春新書)という書籍の中に出てくる野村克也(のむらかつや)さんのエピソードです。
 南海ホークス(福岡ソフトバンクホークスの前身)当時の野村克也監督は、選手にペーパーテストを受けさせることがあったそうです。しかし、テストのあとで評価基準を聞いてみると、正解かどうかは二の次で、「少々間違っていても、一生懸命考えて、たくさん書いてくるほうが、ワシは好きや」とおっしゃっていたというのです。
 江本さんは、「要するに、物事に向き合う姿勢を、テストされていたことになる」と述べていますが、野村監督はその選手の知識量や「頭の良さ」を褒めるのでなく、「努力」と「工夫」とを褒めたのです。
「再製工場」と呼ばれた野村流の才能の伸ばし方は、科学に裏づけされたものでもあったわけです。

空気を読む脳
中野 信子 (著)
講談社 (2020/2/20)

 適切に褒めることは、子どもにフィードバックを与え激励する重要な方法だ。
だが、誤った方法で褒めれば、「交換条件つきの」報酬となって、創造性の目を摘み、内発的動機付けを抑制しかねない。~中略~

●頭がよいと褒めるのではなく、努力や取り組み方を褒める~略
●具体的に褒める~略
●人前で褒めない~略
●きちんとした理由があるときだけ褒める。
キャロル・ドゥエック

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)
講談社 (2010/7/7)
P243

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/12/04
  • メディア: Kindle版


 ですから、私は基本的に彼らが考えたものについて、何でもやらせてあげたいと思っていましたし、飼育係たちが頑張ってやったことは、どんな細かいところでも、いち早く見つけて「あれ、よかったね」と褒めることを大切にしていました。
~中略~
 しかも、褒める時には、ただ褒めるのではなく、なぜそれがよかったのかという理屈を、きちんと言ってあげることが大切です。

マネジメントは動物園に学べ 2011年5月 (仕事学のすすめ)
小菅 正夫 (その他), 野田 稔 (その他)
NHK出版 (2011/4/25)
P69

マネジメントは動物園に学べ 2011年5月 (仕事学のすすめ)

マネジメントは動物園に学べ 2011年5月 (仕事学のすすめ)

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2011/04/25
  • メディア: ムック



 ほめることが大切だというのは、「ほめられればうれしいから、やる気が出る」ということももちろんあるのですが、いちばんの理由は、言葉で「よかったよ」と言われることで、「ほめられたときのことを記憶する」 ということです。
記憶することで、自分のいいところを確認できる。そうやってうまくいったときの感覚、身体の感覚や心の感覚を憶えておくと、次も連続して成功させる自信につながるということが、研究で明らかになっているのです。
 なので、「いいところはわざわざほめる必要はない」と、スルーしてしまうのがいちばんいけない。いいところは「いい」と、しっかり認めてほめてあげることが、自信をつけ、モチベーションを上げるには非常に大切なのです。
 忘れがちなことですが、ほめられるほうも、ほめられたことに対して応える必要があります。日本人は「いまのはよかった」とほめられても、受け流してしまう。~中略~  そうではなく、ほめられたら「ありがとう」と手をあげたりしてちゃんと反応することが、「いまのはよかったんだ」と記憶しておくには必要なのです。
 もちろん、ほめる際にはなんらかの基準が必要なのです。

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」
荒木 香織 (著)
講談社 (2016/2/19)
P94

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)

  • 作者: 荒木香織
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/02/26
  • メディア: Kindle版






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:育児

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント