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誰のための学問 [学問]

 

此の学は己れの為にす。


固( もと )より宜しく自得を尚( たっと )ぶべし。


駁雑( はくざつ )を以て粧飾と倣( な )すこと勿れ。


近時の学、殆ど謂わゆる他人の為に嫁衣装を倣すのみ。

                       「言志耋録」第一九条


                       佐藤 一斎 著

                       岬龍 一郎 編訳

                       現代語抄訳 言志四録

                       PHP研究所(2005/5/26)

                       P195

1923350厳島神社7

真の学問は、人の心の汚れを清めて行いをよくすること。
悪い学問は、博学の名誉を欲するために、ただ知識を詰め込むこと
                   近江聖人 中江藤樹 「翁問答」
P193

[現代語抄訳]言志四録

[現代語抄訳]言志四録

  • 作者: 佐藤 一斎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2005/05/26
  • メディア: 単行本

人の品行は高尚ならざるべからざる。

人の見識品行は玄理を談じて高尚なるべきにあらず、また聞見を博くするのみにて高尚なるべきに非ざるなり。
然らば則ち人の見識を高尚にしてその品行を提起するの法如何すべきや。
その要訣は事物の有様を比較して上流に向かい、自ら満足することなきの一事に在り。

福沢 諭吉 (著)
学問のすすめ
岩波書店; 改版版 (1978/01)
P127 学問のすゝめ 十二編

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/01/01
  • メディア: 文庫

 

「世の中を見るに、諸芸をうり物にしたて、我身をうり物のように思ひ、諸道具につけてもうり物にこしらゆる心、花実の二ツにして、花よりもみの少なき所なり。
とりわけ此の兵法の道に、色をかざり、花をさかせて、術とてらひ、或は一道場或は二道場など云て、此道をおしへ、此道を習ひて、利を得んとおもふ事、誰か云、なまへいほう大疵のもと、まこと成るべし」
「一、兵法の道と云う事」

谷沢 永一 (著)
宮本武蔵 五輪書の読み方
幻冬舎 (2002/10)
P31

宮本武蔵 五輪書の読み方

宮本武蔵 五輪書の読み方

  • 作者: 谷沢 永一
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2021/09/24
  • メディア: 単行本

古人は道を学んで利を謀らず。
今人は書を読むも但名と財のためなり。
遍照発揮性霊集 巻第一

空海 人生の言葉
川辺 秀美 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/12/11)
戒めの言葉五六

空海 人生の言葉

空海 人生の言葉

  • 作者: 川辺 秀美
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/12/11
  • メディア: 単行本

二五 子曰わく、古の学者は己れの為にし、今の学者は人の為にす。


~中略~


*今の学者は人のために勉強するとは、朱子の新注のように、人に名を知られるために勉強すると解するべきである。 現在の学者にとって、すこし耳が痛い教訓ではある。
憲問篇


                  論語

           孔子 (著), 貝塚 茂樹

                       中央公論新社 (1973/07)

                       P407

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 作者: 孔子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫

 学会を辞めた後に、どうして仏文学会はこんなにダメになってしまったのだろうと考えました。
博士課程の若い研究者たち、あるいはフランスに行って博士号を取って帰って来た人たちの発表を聞いて、知的な高揚感を覚えるということが全くなかった。さっぱりどきどきしてこない。
 どうして、どきどきしてこないのか。たぶんこの人たちは、自分の業績をどんなふうに高く評価してもらうかということを考えて発表しているからだろうと思いました。
彼らは査読する人たち、自分の業績に点数をつける人たちに向かって発表しているんです。受験生が試験官を前にして、じぶんがどれくらい勉強してきたか、どれくらいものを知っているかを誇示するように。
 でも、僕はそれは学問とは違うんじゃないかと思ったんです。

最終講義 生き延びるための七講
内田 樹 (著)
文藝春秋 (2015/6/10)
P51


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