科学はまだまだ未完成 [ものの見方、考え方]
科学知識は日進月歩で、今日の正論は明日の正論では有り得ないのではないでしょうか。
~中略~それはなんでかと言うたら、科学はまだまだ未完成やからだっしゃろ。
未完成の今日を科学で総て律しようと考えがちなのが、学者さんやおまへんやろか。
科学知識のない我々工人の言い分にも耳を傾けるような学者さんこそ、本当の学者やとおもいまんな。
西岡 常一 (著)
木に学べ―法隆寺・薬師寺の美
小学館 (2003/11)
P271
坪井 われわれの仕事は科学的に人間をみることです。遺伝子の研究などがそれにだんだん近づいているというけれども、まだまだ何百万分の一ぐらいしか人間のことなんてわからないでしょう。
~中略~
宇宙を全部解明することが可能なら人間の体も全部解明できるかもしれないですけれども、そんな生易しいものではないですしね。
坪井栄孝
玄侑 お医者さんからそういう言葉を聞けるのは、とてもうれしいですね。
坪井 でもね、医者というのは大体そういう考え方を持っていると思うんですよ。化学者、物理学者じゃないですから。だから変な話ですけれども、医者というのはあまり偏差値の高い人間は向かないですよ。
~中略~
頭が文科系なんですよ。理科系じゃないんです。
玄侑 宗久 (著)
多生の縁―玄侑宗久対談集
文藝春秋 (2007/1/10)
P115
いっぽう、地震というものは本気を出せば本当に恐ろしい。しかし人間の地震現象に関する理解はまだきわめて不十分である。
これらのことを虚心に直視すれば、ちっぽけな地震列島の海岸に五四基もの大型原子炉を林立させ、それを制御して安全を保つということが、どんなに危ういことか、ほとんどの人はわかるだろう。
まさに「原発震災」だ──「根拠なき自己過信」の果てに
石橋克彦 (神戸大学名誉教授)
世界 2011年 05月号
岩波書店; 月刊版 (2011/4/8)
P132
五木 私はいつもおなじことを言っていますけれど、真に科学的な態度というのは、現時点で証明できないことを全部否定するのではなく、ただわからないと素直に認めることだと思う。
~中略~
おのれの真の実力を素直に認識すること、それこそが科学的態度だと。
気の発見
五木 寛之 (著), 望月 勇
幻冬舎 (2005/09)
P94
科学というのは、間違えるものなんです。ニュートンの物理学が正しいと思われていた時代に、アインシュタインがある微妙な違いに気付く。
そのアインシュタインにも間違えていたことがある。そうやって、科学は書き換えられ進歩していく。
限定的に正しいものなんです。だから、科学者は「こういう前提において、この範囲では正しい」というふうに説明しようとする。でも、これは一般の人にはわかってもらえないですね。
あとがき
早野 龍五
知ろうとすること。
早野 龍五 (著), 糸井 重里 (著)
新潮社 (2014/9/27)
P171
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