SSブログ

政府と人民の約束 [日本(人)]

 百姓は米を作って人を養い、町人は物を売買して世の便利を達す。
これ即ち百姓町人の商売なり。政府は法令を設けて悪人を制し善人を保護す。
これ即ち政府の商売なり。この商売をなすには莫大な費なれども、政府には米もなく金もなきゆえ、百姓町人より年貢運上を出だして政府の勝手方を賄わんと、双方一致の上、相談を取極めたり。
これ即ち政府と人民の約束なり。
~中略~

法を設けて人民を保護するは、もと政府の商売柄にて当然の職分なり。
これを御恩と言うべからず。
政府もし人民に対し保護をもって御恩とせば、百姓町人は政府に対しその年貢運上をもって御恩と言わん。

福沢 諭吉 (著)
学問のすすめ
岩波書店; 改版版 (1978/01)
p26 学問のすゝめ 二編

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/01/17
  • メディア: 文庫

-552ae.jpg高野山 大門


タグ:福沢 諭吉
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント