動物実験だけでは解らない [社会]
P148
動物実験の結果には人間に比較的あてはまりやすいものからそうでもないものまでいろいろあるのですが、食行動についてはあてはまりにくいものの代表のようなものです。
つまり抗肥満薬に効果があるかどうかは人間で実際に使ってみなければわからないのです。
~中略~
たとえば、食欲抑制剤リモナバンは、副作用として鬱を誘発し、その結果として自殺を誘発するためヨーロッパで認可取り消しとなりました。
動物が自殺を企てることはありませんから、そのような重大な副作用は人間で使ってみなければわからないものです。
P156
科学的には、抗酸化ビタミンサプリメントによるがん予防という夢は、ほぼ完全に否定されているのです。
~中略~
これらの事例から言えるもうひとつのことは、動物実験や細胞培養でどんなに期待できるような結果が出ていても、実際はヒトで調べてみないとわからない、ということです。
畝山 智香子 (著)
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想
化学同人 (2009/11/30)
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)
- 作者: 畝山 智香子
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