地鎮祭 [日本(人)]
神道の地鎮祭は、土地の神さまにものを建てさせていただきますとお断りしているわけですね。日本人は昔からやっているのに、それを忘れてしまって、おのれが設計して立てるなんていうから、おかしくなってしまうんですね。
そうじゃない。建てさせていただくんです。このとちに建てさせていただいてよろしいでしょうか。よろしくお願いしますよというのが、地鎮祭の祝詞なんです。
葉室 頼昭 (著)
「神道」のこころ
春秋社 (1997/10/15)
P193
春日大社6
日本人は、通常建物を建てるときに地鎮祭をおこなう。
海外に進出した企業が外地に工場を建てる場合でも、地鎮祭をとりおこなう。「海外に出てまで地鎮祭をやることはないだろう」と思わないでもないが、日本人はどこにでもその土地の神がいると考える。その土地の神に敬意をあらわし、仁義をきってから建物を建てるのである。
これは祟りを恐れる気持ちから発生したものではあるが、人間を超越した存在や自然を畏怖する心にもつながる。
余談だが、これからの地球に対する態度として、日本人のこのような心情は重要な意味を持つようになるのではないだろうか。
山折 哲雄 (著)
天皇の宮中祭祀と日本人―大嘗祭から謎解く日本の真相
日本文芸社 (2010/1/27)
P222
もともと横綱の認可は、地鎮祭のお祓いの地踏みに大関が招かれた際に、五条家が行なっていたらしい。
それを興行戦略に使ったのが、(ひとりの行事、熊本の細川家家臣)吉田追風である。
田中 優子 (著)
江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか? 落語でひもとくニッポンのしきたり
小学館 (2010/6/1)
P176
江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか? 落語でひもとくニッポンのしきたり (小学館101新書)
- 作者: 田中 優子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/06/01
- メディア: 単行本
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