敬と誠 [倫理]
妄念を起さざるは是れ敬にして、
妄念起こらざるは是れ誠なり。
「言志録」第一五四条
佐藤 一斎 著
岬龍 一郎 編訳
現代語抄訳 言志四録
PHP研究所(2005/5/26)
P68
松山城2
みだらな考えを起こさないのが敬であり、みだらな考えが起きないのが誠である。
敬とは、朱子学で最も重んじられる徳目で、自分に対しては慎み深く、人に対してはうやまうとの意味である。
禅宗ではこれを「主一無敵(しゅいちむてき)」(心を一つにして、他に向かわしめないこと)としている。
誠は「中庸」で「天の道なり」といわれるように、儒教の最高の境地とされている。
よって、誠の人は最初からみだらな考えなど持たない。
いずれの教えにしろ、人間の根本性について説くところは「愛」であり、「善」である。
「渋沢栄一訓言集」座右銘と家訓
渋澤 健 (著)
巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」
講談社 (2007/4/19)
P222
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