逆暗示を払いのける [ものの見方、考え方]
誘導自己暗示は、医療にとって代わるものではない。
それを用いたからとて、永久に生きのびたり、人生諸般の災難病苦から逃れたりするわけにはゆかないのだ。
~中略~
聖人の無意識の中にある記憶は、現在のところ、子供のときから貯えられてきた無数の逆暗示で充満している。
誘導自己暗示に課せられた第一の仕事は、密集しているこの精神的障害を払いのけることであろう。
~中略~
病気に襲われたとき、それを払いのけるだけの有力な手段がわれわれの内部にそなわっていることは事実である。
しかし、だからといって、外部から病気をとりのぞく補助手段が無用になるわけではない。
自己暗示と通常の医療は手を相携えて、おたがいに相補うべきである。
もし病気になったら、従前どおり医師にみてもらうがよい。
だが、やはり誘導自己暗示の力もかりて、医師の治療をさらに補強拡大すべきである。
C.H.ブルックス、E.クーエ (著), 河野 徹 (翻訳)
自己暗示
法政大学出版局; 新装版版 (2010/1/14)
P100
「痛い、痛い。もうダメだ。俺は死んでしまうかもしれない」とパニックになって騒いでいれば、止まる血も止まらない。
「大丈夫だ。絶対助かる」と信じて、心静かにじっと寝ていれば自然治癒力が高まり、おのずと回復に向かうのだ。
つまり、「痛い」「もうダメだ」などのネガティブな言葉は自己暗示になり、現実に影響を及ぼすのである。
天風(住人注;中村天風
)はよく、
「丸い卵も切りようで四角、ものも言いようで角が立つ」と言っていた。否定的な言葉は、口に出したそばから自分を傷つけたり、相手の気分を害したり、言葉通りの悪い状況をもたらしてしまうのである。
高血圧はほっとくのが一番
松本 光正 (著)
講談社 (2014/4/22)
P137
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