「般若心経」のこころ [宗教]
般若心経は、「現実の空しさ、うつろさを徹底して実感せよ(色即是空)、すると、現実に生きる価値と意義が十二分に自覚できる(空即是色)」と教えます。
空しさやうつろさは、しかし、死とか別れのようなくらい場面に感じるとは限りません。
現代の日本のように、経済的に高度の生活がつづくと、「満ち足りている」ことに空しさと不服とを感じるのです。
松原 泰道 (著)
般若心経入門―276文字が語る人生の知恵
祥伝社 (2003/01)
P49
般若心経入門―276文字が語る人生の知恵 (祥伝社黄金文庫 ま 1-3)
- 作者: 松原 泰道
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: 文庫
室生寺への道すがら道路わき2
P64
般若心経の内容を一言でいうと「空を知る知恵を体得して、純粋な人間性に立ち返る教え」となりましょう。
P60
白隠禅師は「観自在菩薩とは余人にあらず、汝(おんみ)自身なり」と示されるのです。
それは、文法的にいう二人称・三人称をひっくるめた大いなる第一人称の「自己」を創造することです。
弘法大師空海が、自著「般若心経秘鍵」の冒頭に「それ仏法遥かにあらず、心中にして、すなわち近し」といい、一休禅師も般若心経を講じて、
よもすがら ほとけの道を たづぬれば
わが心にぞ たづねいりける
と詠まれた心情を発見することになります。
そして、本来「ほとけ」とは、せけんでいうような死人とか仏像ではなく、「真実の人間性」のことなのです。
ゆえに、自分の中にわけ入って真実の人間性を開発するのが「般若心経」のこころといえます。
般若心経入門―276文字が語る人生の知恵 (祥伝社黄金文庫 ま 1-3)
- 作者: 松原 泰道
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: 文庫
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