決断しないといけない時 [処世]
凡そ大硬事に遇わば、急心もて剖決( ぼうけつ )するを消( もち )いざれ。
須らく姑( しばら )く之を舎( お )くべし。
一夜を宿し、枕上( ちんじょう )に於いて粗( ほぼ )商量( しょうりょう )すること一半にして、
思を齎( もた )して寝( い )ね、翌旦の清明なる時に及んで、続きて思惟すれば、
則ち必ず恍然( こうぜん )として一条路を見、就即( すなわ )ち義理自然に湊泊( そうはく )せん。
然る後に徐( おもむろ )に之を区処せば、大概錯悞( さくご )致さず。
「 言志後録 」第四五条
佐藤 一斎 著
岬龍 一郎 編訳
現代語抄訳 言志四録
PHP研究所(2005/5/26)
P109
観世音寺大宰府
大事件に出会ったときは、急に解決しようとしないで、しばらくそのままにしておいたほうがよい。
一夜持ち越して、寝床で半分くらい考えて眠り、翌朝、心が明るくはっきりしてから、続きを考えると、
ぼんやりながらも活路が見えてくる。
そうなれば、この難題の筋道が自然に心の中に集ってくる。
そのあとで、ゆっくり一つ区別して解決してゆけば、たいがい間違うことはない。
>>>恍然(こうぜん)
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