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人でなく人間でないと生きられない [処世]

  自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。
このため、助け合う、ということが、人間にとって、大きな道徳になっている。
助け合うという気持ちや行動のもとは、いたわりという感情である。
他人の痛みを感じることと言ってもいい。
やさしさと言い換えてもいい。
 司馬遼太郎「二十一世紀に生きる君たちへ」

大山 くまお (著)
名言力 人生を変えるためのすごい言葉 
ソフトバンククリエイティブ (2009/6/16)
P127

名言力 人生を変えるためのすごい言葉 (SB新書)

名言力 人生を変えるためのすごい言葉 (SB新書)

  • 作者: 大山 くまお
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2009/06/16
  • メディア: 新書

 

-1ea99.jpg法起寺6

 老いも若きも、人間はひとりで生きられるものではありません。
アリストテレスがいうように、人間は社会的な生き物であり、家族、友人、そして社会と密接なつながりがあってこそ、充実した生を送ることができます。

北原 茂実 (著)
「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる!
講談社 (2011/1/21)
P22

「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)

「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)

  • 作者: 北原 茂実
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/21
  • メディア: 新書

 P67
では、人間は何を喜びにして生きるのか。
それは、他者との交わりである。
他者を愛すること、他者から愛されること、他者を助けること、他者から助けられること、それが人間の喜びである。
~中略~
p>だから、十分な物資をもち、豊かに生きている時でも、本来、人間は、富や名声や快楽によって、生の真の充足を経験しているのではないだろう。そうではなくて、本当は人と人は愛と信頼によって生きているのである。
このことが実は、富や地位や名声や快楽によって遮断され、見えなくさせられているのである。
 そして、もしも技術文明が本当の生に対するこういう増殖物を無限に増大してゆくことならば、文明は人間から生の本当の喜びを奪うものにほかならないだろう。
科学技術文明の進歩は、生の単純な意味(人と人との信頼と愛)のコントロール下になければならない。
~中略~
 この大災害(住人注;東日本大震災)は、人間の生き方を根本から考え直す機会を人類に与えた。
もしかしたら、もう半ば手遅れなのかもしれないと危惧されるとしても、それでも、プラトンの言い方を真似れば、祈りながらあるべき道を探し求める以外にないだろう。

「人間愛」の社会へ──禍の経験を希望につなぐために
  岩田靖夫 (東北大学名誉教授)

世界 2011年 05月号

岩波書店; 月刊版 (2011/4/8)

 

 

世界 2011年 05月号 [雑誌]

世界 2011年 05月号 [雑誌]

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/04/08
  • メディア: 雑誌

 

 

 

ヒトが生きる究極の目的は「複雑な社会の中でうまく生きて行くこと」で、それができて初めて幸福といえるわけです。
その目的を達するためには、一つひとつの知性だけではなしに、それらの知性を統合して使いこなしていくための知性、つまり前頭連合野の知性こそが肝心なんです。

数学ができたって、早く走れたって、「人間らしさ」が発達してなかったらヒトとして幸せになれないじゃありませんか。
 言語的知性も数学的知性も、知能指数すなわちIQも、最近流行っている感情的知性のEQも、すべて知性の一部にすぎません。それらを統合し、脳の中心的な役割を果たしているのは前頭連合野です。

平然と車内で化粧する脳
澤口 俊之 (著), 南 伸坊 (著)
扶桑社 (2000/09)
P199

 

 

平然と車内で化粧する脳

平然と車内で化粧する脳

  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2000/09/01
  • メディア: 単行本

 

 

 

アドラーは人間の悩みはすべて対人関係の悩みである、といっています(「個人心理学講義」二六頁)。
 人は一人で生きているのではなく、<人の間>に生きています。私たちは一人で生きているのではなく、他の人の間で生きているということができます。アドラーの言葉を引くと、
「個人はただ社会的な(対人関係的な)文脈においてだけ個人となる」
わけです。(「個人心理学講義」一八〇頁)。

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)
P44

 

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

  • 作者: 岸見 一郎
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 1999/09/01
  • メディア: 新書

 

 

P180
超高齢社会になると、お年寄りは昔ほど尊敬される対象ではなくなってしまします。
高齢者を支えるために若い世代の税金や保険料の負担が重くなり、周囲の家族には介護問題なども発生するため、どちらかというと社会の「お荷物」になってしまう。
それをはっきり口に出す人はいなくても、高齢者自身がそういう立場であることを自覚せざるを得ない空気が蔓延しているのではないでしょうか。
 いずれにせよ、多くのお年寄りは自己愛を支えてくれる鏡自己対象を持つことができません。
よほど社会的な地位の高い人なら、いつまでも取り巻きの若い人たちにチヤホヤされることもあるでしょうが、ふつうは大して褒められることもなく日々を過ごすことになるわけです。
 また、人間は年齢を重ねるほど、理想化自己対象を持ちにくくなrます。それはそうでしょう。親であれ、師匠であれ、親分であれ、頼りがいのある理想化自己対象は基本的に自分より年上です。~中略~
 私は、多くの高齢者が病院に足繁く通うのは、そこでしか理想化自己対象を体験できないことも大きな理由ではないかと思っています。
 老いて身心が弱ってきたとき、挫けそうな心を支えてくれるのは、多くの場合、宗教でしょう。しかし、日本の場合、それぞれ仏教などの宗派に属しているとはいえ、日頃から強い信仰心を持ってそれに依存している人は多くありません。
 親や師匠には先立たれ、宗教も心の支えにならないとすると、気持ちが弱ったときに「大丈夫だから心配するな」と励ましてくれる理想化自己対象は、医者ぐらいしかいないでしょう。
~中略~
しかも、その待合室には、似たような境遇の顔見知りが何人もいます。
~中略~
 それを通じて「いろいろダメなのは自分だけではない」と思うことができれば、これは双子自己対象を体験しているのと同じこと。前に紹介した、アルコール依存症患者の断酒会や認知症患者の家族会とも似ています。
 ですから、高齢者は病院に行くと「理想化」と「双子」という二つの自己対象に出会うことができる。
待合室の仲間とお互いに「鏡」になることもあるでしょう。そこに精神科や心療内科はなくても、病院はお年寄りにとって、コフート的カウンセリングを疑似体験できる場になっているのかもしれません。

P184
 いちばん良くないのは、苦しい心を抱えながら、それを「自分の心がけで何とかしよう」と考えることでしょう。
真面目な人ほど他人に甘えたり依存したりすることができず、「苦しいのは自分の心が弱いせいだ」などと思い込んでしまうものです。
 しかし、コフートのいうとおり人間はそんなに強いものではないと私も思います。
どんなに強い人でも、自分一人では確固たる「自己」を保つことはできません。私たちの心の健康は、健全な対人関係を通じて維持されるのです。

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門
和田 秀樹 (著)
青春出版社 (2015/4/16)

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門 (青春新書インテリジェンス)

自分が「自分」でいられる コフート心理学入門 (青春新書インテリジェンス)

  • 作者: 和田 秀樹
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2015/04/16
  • メディア: 新書

 


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