電気の地産地消 [社会]
飯田
秋田県民四〇万世帯は一世帯当たり二五万円、計一〇〇〇億円の光熱費を払っているのですが、そのお金はほぼすべて県外へ出ている。
さらにはそれはほとんど日本国外に出ていて、日本は年に二三兆円も海外に支払っている。
一方、秋田県の代表的な農産物である「あきたこまち」の売り上げも二〇一〇年は一〇〇〇億円です。
つまり、秋田県の人が普段なにげなく使う電気や暖房などで、あきたこまちの売り上げ全顎が県外に流出している。
しかし、いま秋田県に風力発電機を一〇〇〇基作る計画があって、その売電だけで約一〇〇〇億円の売り上げになる見込みです。
~中略~
鎌仲 原発に何千億円も融資している三菱や三井住友のような大銀行に貯金していると、それが結局は自分たちの首を絞める方向に投資されてゆく。
そういうお金の流れに気づいて、地域の小さな自然エネルギーをつくるベンチャー事業に投資する。お金が地域でいきていく。
飯田 地域はエネルギーを自給した上で、さらに余った電気を売ればいいのです。
対談 自然エネルギーの社会へ再起しよう
飯田哲也 (環境エネルギー政策研究所所長)
鎌仲ひとみ (映画監督)
世界 2011年 05月号
岩波書店; 月刊版 (2011/4/8)
P124
平尾台 千仏鍾乳洞5
P47
そもそも原発は、いったい何年使い続けることができるのでしょうか?
圧力容器に中性子がぶつかり続けていくうちにもろくなっていき、地震や温度の上昇などに脆弱になっていくそうですが、世界の原発廃炉年数の分布を見ると、平均して二二年です。
いわば原発の平均寿命は二二年であって、四〇年を超えて稼動しているのは世界でも稀だという事実は、私にとって大きな驚きでした。
~中略~
世界のトレンドは原発だ、Co2を減らすために世界中どこでも原発を増やしているのだ、と私はつい一ヶ月前まで思っていました。
ところが、実は世界における原子力のブームは八〇年代半ばだったのです(図1)。これ以降新規の原発はほとんど作られなくなっている。
P49
このように、実はコストが膨大にかかるから、世界ではもう新規の原発は作られていないのです。
驚くべきグラフがあります。アメリカでは太陽光と原子力の発電コストが昨年、二〇一〇年、クロスしているというのです(図2)。
自然エネルギーは理想だけど高いじゃないか、雨の日や夜は太陽光は使えないだろう、原子力は大量で安い、と私も思っていました。
しかし、雨や夜をみな勘案して、稼動しているときだけの発電コストを見てもなお、すでに昨年クロスオーバーしているのです。
こうした実例を見ても、いまこそ国民全員が安心できる社会へとエネルギー政策を転換するときが来ているのではないでしょうか。
東日本にソーラーベルト地帯を──太陽の港、風の港で日本は甦る
孫 正義 (ソフトバンク社長)
世界 2011年 06月号
岩波書店; 月刊版 (2011/5/7)
お邪魔いたします。
たったの22年のために、莫大な費用を使い、被曝する危険を冒さなければならないとは、代償が大きすぎますね。
by ガンガンガン速 (2011-05-23 14:25)