世間と前頭連合野 [雑学]
伸坊
だから、電車で化粧するギャルも、まるでジッパーあげながら便所から出てくるオヤジみたいな、スカートあげまくりの女子高生ってのも、要するに世間が狭いわけですよね。
澤口 たぶん、おっしゃるとおりでしょう。仲間を求めるのはヒトの本性ですから、彼らだって仲間は欲しがるんです。決して一人ではいられない。だけど仲間の枠が非常に小さいんですね。
タテのつながりが全然ない環境で育ったから、自分たちのなかだけで仲間意識が完結してしまうんです。
~中略~
澤口 彼らはその狭い仲間のなかですから、ヒト付き合いが上手に出来ない。前頭連合野が未熟ということは感情的知性も未発達ですから、感受性が鈍いはずです。
感情表現が下手、感情のコントロールもできない。温かい交流なんてできてないと思いますね。そこを理解して論じないといけないと思うんですね。
平然と車内で化粧する脳
澤口 俊之 (著), 南 伸坊 (著)
扶桑社 (2000/09)
P149
P150
澤口 進化的に見て、仲間をつくりたがる傾向は女性のほうが強いんです。サルの世界では、フィメイル・ボンドといってメすが結束する事実があります。
なんのために結束するかというと、自分と自分の産んだ子どもをオスの脅威から守るためなんですね。
伸坊 オスの脅威というと?
澤口 一つは子殺しです。子殺しについては諸説ありますがオスの繁殖戦略という見方が有力です。サルのメスは子育て期間は発情しません。オスは自分の遺伝子を残したいので、子連れのメスがいると子どもを殺してメスを発情可能な状態にさせ、交尾しようと試みる。
そうなったらメスはまた新たに出産・子育てをやらなきゃいけないわけですから、とんでもない負担なわけです。だからフィメイル・ボンドによって、オスの攻撃から自分と子どもたちを守ろうとする。
~中略~
とはいえ、子殺しが見られないサルでも、メスは結束する傾向があります。その理由はいろいろありますが、一言で言えば、そうしたほうが群れ内での生活が安定して、子育てもしやすくなって、自分の遺伝子を残す確立がたかまるからです。
このフィメイル・ボンドでは、自分が仲間から外れることことを非常に嫌います。ボンドを抜けたくないという強い意識があるから、必死でみんなに合わせようとする。
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