ランナウェイ [言葉]
澤口 ヒトに限らず、進化においてメスの好みは大きな鍵を握る問題です。
もともと生物というのは、だいたいがメスがオスを選ぶようになっています。オスは選ばれるために自分をアピールしなくければならない。
~中略~
実はメスの理想はものすごく極端なところにあって、現実にそんなオスが存在しなくても、理想になるべく近いところで手を打っているんだ、というんです。
伸坊 ってことは、三高って一時いわれた、アレは・・・
澤口 けっこうメスの本質だったりするんです。簡単な例でいうとクジャクの羽ですね。
~中略~
この傾向は、派手な飾り羽をもつデメリットよりも、メスに選ばれるというメリットがわずかでも大きいうちは、どんどん進んでいきます。そして、デメリットのほうが重くなってもはや生存に耐えられなくなるギリギリのところでやっと止まる。
これを専門用語で「ランナウェイ」といいます。
このランナウェイが暴走すると、大変困ったことになります。極端な性質が助長されてしまって、生存すら危うくなるんです。
平然と車内で化粧する脳
澤口 俊之 (著), 南 伸坊 (著)
扶桑社 (2000/09)
P157
龍蔵寺13
P156
澤口 うまくできているもので、女性のほうは男性が平均を好むのに対応して、極端な特徴をもつ個体が少なくなる。実際に、身長でもなんでも女性は男性に比べてバラツキが少ないんですよ。
だから男性のほうに特徴があっても、女性が全体に平均的になっていることで、子どもの特徴はある程度中和される。ちゃんと、極端な特徴が助長されないようになっているんです。
男性のほうは、女性の好みに対応して自然にバリエーションがつく。進化はこのバリエーションから生まれるんです。
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