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たがが英語 [言葉]

 日本人にとって、あらゆる知性の基盤は日本語によって作られます。英語を学ぶにしても、あるいはほかの教科を学ぶにしても、まずは母国語によって物事を深く考える力が求められます。
過度の英語信仰や英語漬けは、その礎を揺るがす危険を強く孕んでいるのです。
大西泰斗

40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2010/7/23)
P21

-2cea7.jpg霧島市高千穂河原古宮址 3

P28
 私が「たがが英語」と言った理由はまさにここで、英語はただの「ツール」であって、しょせん将来中国語に置き換わるかもしれない程度の価値しかないんですよ。
大西泰斗

P58
 たしかに、母語の習得に当たっては10歳くらいまでの教育が重要で、たとえば大人になってから読み書きを覚えようとしてもかなり苦労します。
一方、外国語の習得については、10歳をすぎてからでも十分に間に合うし、むしろ母語の基礎をしっかり固めたうえで外国語に取り組んだほうが学習の効果もあがるのです。
~中略~

子どものうちから取り組む意義が唯一あるとすれば、「発音」でしょう。発音に関しては、臨界期があるとまでは言えないものの、子どものうちに取り組んだほうが上手になります。
 それでも、外国語であるかぎり、ネイティブ・スピーカーのような発音にはなりませんし、そもそもネイティブのような発音が必要なのか、という問題は、もっと議論されるべきではないでしょうか。
~中略~

 言語は個々の人間の思考の拠りどころであり、アイデンティティと深く結びついています。
アイデンティティを失うことは、自分が何者であるかわからなくなることであり、それは残念なことです。なぜなら、自らのアイデンティティに自覚的であるほど、相手のアイデンティティを認識し、異なる文化を持つ異質な人々を尊重することになり、それが相互理解の出発点となるからです。
 ネイティブのような発音をめざす前に、コミュニケーションとはなにか、人間にとっての言葉とはなにか、という点を考えるべきではないでしょうか。
鳥飼玖美子



 日本人で「英語ができる」というと、ネイティブに近い流暢(りゅうちょう)な発音で話せる人が思い浮かぶ。
しかしビジネスの現場では、発音など大した問題ではない。共通言語として英語できちんと自分の意思や知識を伝えられることが重要なのだ。

僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 (著)
講談社 (2011/9/22)
P265




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