敬意を抱かれるには [処世]
どんなに立派な人でも、敬意を抱かれるには、実際に尊敬されるには、ある種の威厳がなくてはならないという話だ。
~中略~
では、どういうものが威厳ある態度なのだろうか。威厳ある態度というのは、尊大な態度とは相容れないものだ。というより、相反するものと言ったほうがいい。
それは、いばり散らすのが勇気ではなく、冗談が機知でないのと同じことだ。
~中略~
威厳のある態度とは、やたらにゴマをすることではない。八方美人のように振舞うことでもない。反対に何でも逆らうことでもない。口うるさく議論をふっかけることでもない。
自分の意見は控えめにはっきり言う。他の人の話は気持ち良く聞く。
こういう姿勢は威厳のある態度と言えるだろう。
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P45
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2011/03/22
- メディア: 文庫
白川郷4
P269
物腰の柔らかさと、意志の強さを兼ね備えることができるのは、強引な人でも八方美人でもない。賢者だけだ。
P272
物腰の柔らかさと、意志の強さを兼ね備えることこそ、軽蔑されることなく愛され、憎まれることなく尊敬の念を抱かれる唯一の方法であり、また、世の知恵者がこぞって身につけたがっている、威厳をみにつける方法でもある。
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章 (知的生きかた文庫)
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2011/03/22
- メディア: 文庫
自分をカリスマ性を持った深みのある人間であるように見せたいなら、一種の暗さ、見えにくさを身につけるようにすればよい。自分をすべてさらけださないように、底が見えないようにするのだ。
多くに人は、底が見えないことに一種の神秘性と深さを感じるからだ。
自然にある池や沼にしても、濁って底が見えないと人は深いと思って恐れてしまう。カリスマ的人物と呼ばれる人への恐れとは、その程度のものなのだ。
「悦ばしき知識」
超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
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