有能と呼ばれる人と一般人の違い [処世]
人間は、君が思っているほど理知的、理性的な動物ではない。感情に支配され、簡単に崩れ落ちるもろさを持っている。一般に有能と言われる人でも、絶対的でないことは、君も承知しているだろう。
それでもなおかつ「有能」と呼ばれるのは、他者と比較してそう呼ばれているにすぎない。
一般の人より欠点がすくないということだけで「有能」と呼ばれ、優位に立っているにすぎないのだ。
彼らはまず自分を制し、欠点を減らすことによって、残りの大多数を御しやすくしている。その時、理性に訴えて御すような、馬鹿な真似はしない。
感情や感覚など、御しやすいところを巧みに突く。だから、失敗することはほとんどない。
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P160
成功している人は、すべてにおいて強さがあり、運に恵まれ、考えや行動がすこぶる効率的で、何事においても人並みはずれて要領が良いように見える。
ところが、彼らにもまた、ふつうの人と同じように欠点や弱さがあるものだ。
ただし彼らは、欠点や弱さが誰からも見えないように奥底に隠しているわけではない。むしろ、それらをあたかも強さのバリエーションであるかのようにカムフラージュして見せているのだ。
その点において、他の人たちよりも老獪なのだ。
これができるのは、彼らが自分の弱さと欠点がどういうものであるかを熟知しているからだ。
たいがいの人は、自分の弱点については見て見ぬふりをする。
しかし彼らは、それをよく見つめて理解している。そこがふつうの人とは異なっているのだ。
「漂泊者とその影」
超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/1/12)
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