行基 [宗教]
行基はすごい人です。聖徳太子は仏教を貴族に布教したけれども、行基は民衆に布教して、仏教を民衆の底辺まで広げた。
行基はあち こち旅をして、道を直し、橋をつくり、布施の行をした。そして寺をつくり、仏をつくった。
行基がつくった仏は、木の仏です。
~中略~
木というのはもともと神さまの宿るものです。神さまである木から仏が出現してきた。
日本の神さまはだいたい異相です。吉野の蔵王権現がそうでしょう。だから行基仏は神さまに似て異相をしているんです。
奈良時代にこの ようにして木彫仏が造られ、平安時代にはこの木彫仏が全盛して、ほとんど金銅仏や乾漆仏は造られなくなりました。
木彫仏の制作そのも のが神仏習合を示しています。
このさきがけをなし、しかも木彫仏を造り始めたのが、白山信仰を始めた泰澄らしいのです。泰澄が行基に 神仏習合の思想と木彫仏制作を教えた。
梅原猛の授業 仏になろう
梅原 猛 (著)
朝日新聞社 (2006/03)
P227
臼杵石仏山王石仏
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