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本の価格 [雑学]

  本の価格というのは、基本的に初版でコストが回収できるように値付けされるから、初版から大部数でいけるものは、一冊あたりの制作原価が安くなり、安く値付けできる。
安くすれば買い手も買いやすい。また、大部数でいくことで広告費も捻出できるし、書店への配本を多くして、店頭で平積みしてもらうなど、目立つ扱いもしてもらえる。そう すると、また売上げがのび、また広告を打ちという感じで、ベストセラーへの道が開けてくる。ということで、資本力のある大出版社は、基本的に大部数を狙う戦略を取るが、 狙いが外れると返本の山で大赤字ということにもなる。

 それに対して、小出版社の出版物は、はじめからベストセラーなど狙わず、小部数でコストの確実な回収を狙うために、価格は安くできない。小部数だから、広告宣伝費 はほとんど取れないし、書店の店頭でも目立たない扱いしか受けないから、社会的認知度が低いものが多いが、内容のよさで着実に売れているものがけっこうある。

 どのあたりが、価格の分岐点かというと、いま大部数を狙う単行本は、初版一、二万部で、価格千七、八百円といったラインを狙う(本の価格はいろんな要素がからんでくる ので、一般論はむずかしく、以下の話の数字はかなり大まかなものと思っていただきたい)。
しかし、価格が二千円~二千五百円でいいというなら、初版は七、八千部でい いいいということになるし、価格を三千円以上にしてよければ、初版は三千部からいける。五千円以上にしてよければ、千部からだっていける。あるいは、七、八千円の値段 でいいなら、数百部からだっていけるのである。

ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術
立花 隆 (著)
文藝春秋 (2001/4/16)
P40

DSC_6215 (Small).JPG臼杵石仏

 


タグ:立花 隆
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