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世話になる医者にも注意が必要 [養生]

 病気に注意するだけでなく、病気にかかったときに世話になる医者にも注意が必要である。
大事な両親や自分を、やぶ医者に任せるのは危険なことである。

養生訓 現代文
貝原 益軒 (著) , 森下 雅之 (翻訳)
原書房 (2002/05)
P167

養生訓 現代文

養生訓 現代文

  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2022/04/11
  • メディア: 単行本

 

DSC_5990 (Small).JPG高松

 ひとはどのように医師を選ぶものだろうか?
非営利団体の保健システム改革研究センターから出されたデータによれば、二〇〇七年には二五〇〇万人の成人米国人が新たにプライマリケア医を、六〇〇〇万人以上が専門医を探した、という。
そして、新しくプライマリケア―医を見つけたひとたちの実に半数が、友人や親族からの推薦を頼みにし、また三分の一以上のひとたちが医師や看護師、または他の医療関係者の勧めに従っていた。専門医の選択にあたっては、かかりつけのプライマリケア医からの紹介、というのが一〇例あたり七例と最も多かった。また五人に一人は、友人や親族に勧められて、というのが理由だった。
新たにプライマリケア医を探すにせよ、専門医を探すにせよ、インターネットや雑誌、その他のメディアの情報に頼った人の数はわずかな割合にとどまった。
こうした情報は、主観的なものと数値的なものの二種類に分けられ、主観的な情報には患者の個人的な体験談や特定の医師の治療に対する「クチコミ」などが含まれる。医師を探すひとの中には、こうした情報のために親族や友達以外にもネットワークを広げ、その情報を医師の選択に生かすひともいる。
一方、数値的な情報は、保険会社、政府機関、非営利団体、営利団体などから出されるものである。こうした数字を使ったデータを用いて適切な医師を確実に選ぶことができる、とい考えは非常に魅力的ではある。
 実際、保健政策立案者や保険会社は、患者は「治療の質」の数値が出ているレポートカードに基づいて医師を選ぶべきだ、という考えの普及にますます力を入れている。また、私たちの文化ではパフォーマンスの評価に数字が欠かせない、とする風潮も強くなる一方である。
確かに、数字の中には患者が知っておくべきものもある。 ~中略~ しかし、医師を評価するために使われる計算式では、臨床的判断基準の鍵となる要素、つまりそれぞれの患者に応じて医師がどう治療を決定しているか、を数値化することはできない。
現状のスコアシステムは、医師が毎回血糖値や血圧を測定しているか、というような、主に最低限の公約数的なものによっており、そこにはコストと効率性を反映する数値も含まれている。さらに、糖尿病で腎不全を合併している、といった複数の医学的問題を抱える患者を避けるような医師は、結果的に良い「成績」を上げることになる、という現実もある。
重たい患者はよそへ回して、軽い患者だけを「選り好み」しているのだから当然である。アルバート・アインシュタインが言ったとされる有名な言葉が、この状況をまさに言い表している。
「数えられるもの全てが重要なわけではなく、重要なもの全てが数えられるわけではない」

決められない患者たち
Jerome Groopman MD (著), Pamela Hartzband MD (著), 堀内 志奈 (翻訳)
医学書院 (2013/4/5)
P161

 

決められない患者たち

決められない患者たち

  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 単行本

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