道を明らかにし術を尽くせ [学問]
アメリカに留学させた二人の甥に
「堯舜孔子の道を明らかにし
西洋器械の術を尽くさば
なんぞ富国に止まらん
なんぞ強兵に止まらん
大儀を四海に布かんのみ」
横井小楠―維新の青写真を描いた男
徳永 洋 (著)
新潮社 (2005/01)
P11
西洋文明は覇道を目指すが日本は王道を目指すべしということです。日本は欧米のような単なる富国強兵ではなく、さらに有徳国家にもなれという高い理想でした。
その当時、アジアの諸国は諦念からでしょうか、激しい抵抗もほとんど示さず、片っ端からヨーロッパ勢力により蹂躙されていました。強力な武器を手に高圧的に迫る白人を前に従順な羊のようでした。
その中にあって唯一、独自の、人類の宝石とも言うべき文明を生んできた日本は、その気高い自負ゆえに、ぼんやり眺めているばかりの他のアジア諸国とは異なり、命をかけて独立自尊を守ることを決意しました。
日本のような後進の小国にとって、実は大それた望みでした。幕末から明治維新の日本人が、満腔にこの決意を固めたと同時に、その後の流れは決まってしまったのです。
日本人の誇り
藤原 正彦 (著)
文藝春秋 (2011/4/19)
P216
新しい時代を創造するような人物は、知識の学問や技術の学問からは生まれない。やはり智慧の学問、徳の学問、そういう教育の中から出てくるのである。
知命と立命―人間学講話
安岡 正篤
(著)
プレジデント社 (1991/05))
P20
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