権威による統治の弊害 [雑学]
権威による統治には幾つかの弊害がある。
第一に、失敗を認めることができない。~略
第二に、抜本的な対策をとることができない。抜本的な対策とは、従来の政策を否定することだ。~略
第三に、ルールが変更されたときに、意外な脆さを露呈する。~略
第四に、権威が及ばない外部には無力である。
第五に、権威による統治では、統治者は保護者として振る舞うから、統治される側が鍛えられることがないし、統治者と被統治者が運命共同体として結びつくこともない。
権威による統治では、統治者の権威に傷が付くような情報は可能な限り隠そうとする。結果として「知らしむべからず、依らしむべし」という統治形態になる。
~中略~
また、依らしめられた、統治される側は、任せておけばいいのだから、自分で判断したり、責任を取る訓練を受けていない。
何が起きても他人事であり、悪いのは統治者である。
第六に、技術革新や変革を、秩序維持の名において妨害する傾向がある。~略
最後に、権威による統治では行政の中に専門家が育たない。~略
「借金棒引き」の経済学 ―現代の徳政令
北村 龍行 (著)
集英社 (2000/8/17)
P201
臼杵石仏山王石仏
権威。権威がなくては、人間は存在し得ない。
しかし、権威は真理と同様に誤りを伴うものである。
それは個々のものとして消滅すべきものを永遠に伝え、固く把持さるべきものを拒み消滅させる。
こうして権威は往々人類をして一歩も先へ歩かせぬようにする原因となる。
(「格言と反省」から)
ゲーテ格言集
ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
新潮社; 改版 (1952/6/27)
P36
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