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白骨章 [宗教]

 この文章は、蓮如自身が、子供を亡くし、友を亡くし、どん底のときに書いたものと言われています。
 [白骨章 全文]

 それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、凡そはかなきものは、この世の始中終、幻の如くなる一期なり。
 されば未だ万歳の人身を受けたりという事を聞かず。一生過ぎ易し。今に至りて、誰か百年の形体を保つべきや。我や先、人や先、今日とも知らず、明日とも知らず、おくれ先だつ人は、もとの雫、末のつゆよりも繁しといえり。
 されば、朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。既に無常の風来りぬれば、すなわちふたつの眼たちまちに閉じ、一の息ながく絶えぬれば、紅顔むなしく変じて桃李の装を失いぬるときは、六親眷属集まりて、歎き悲しめども、更にその甲斐あるべからず。
 さてしもあるべき事ならねばとて、野外に送りて夜半(よは)の煙と為し果てぬれば、ただ白骨のみぞ残れり。あわれというも中々おろかなり。されば、人間のはかなき事は老少不定のさかいなれば、誰の人も、はやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏を深くたのみまいらせて、念仏申すべきものなり。

いきなりはじめる仏教生活
釈 徹宗 (著)
バジリコ (2008/4/5)
P227

DSC_6234 (Small).JPG臼杵石仏古園石仏

この名言の原点は「和漢朗詠集」にある。漢文を読み下す。 「朝に紅顔あって世路(せいろ)に誇るといえども、暮(ゆうべ)には白骨となって郊原に朽ちぬ」。作者は藤原義孝である。

この国のことば
半藤 一利 (著)
平凡社 (2002/04)
P111


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