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大里 [門司]

下関の亀山八幡宮の下から海峡をわたった。対岸の豊前側の港は、
「大里」(住人注;だいり)
 という。いまは北九州市門司区にふくまれってしまったが、江戸時代、この大里という海港のにぎわいはむしろ門司港をしのいでいた。
 松陰は海浜にそって小倉の方角をめざした。海浜はながい。磯馴(そな)れ松のみごとな林がつづいている。浜も松も小倉までつづく。この浜は、
「聞長浜(きくのながはま)」  というみやびた名がついており、万葉のころから歌の名所であった。が、松陰には万葉集への関心はない。知識もなかった。 途中、赤坂という村がある。
~中略~
赤坂村は、漁港である。同じにここも大里と同様、海峡をわたる海駅でもある。

世に棲む日日〈1〉
司馬 遼太郎 (著)
文藝春秋; 新装版 (2003/03)
P58

TS3E0294 (Small).JPG北九州市門司区大里


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