日本人のバランス感覚 [日本(人)]
司馬 話は変わりますが、日本というところは、その意識が大変相対的で、一つ絶対なものをつくって他はいかんという工合になかなかならない。
江戸幕府の大老になりうる家が酒井と井伊、天台の叡山と真言の高野山、本願寺は西と東、禅は曹洞と臨済、明治になって東京大学ができると、やがて京都大学。
~中略~
要するに二者併立させることによって安定を感ずるというのは、日本人の考え方のどこかにあるんでしょうね。バランス感覚といいますか。
新装版 日本歴史を点検する
海音寺 潮五郎 (著), 司馬 遼太郎 (著)
講談社; 新装版 (2007/12/14)
P180
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