罰してはいけない [対人関係]
アドラーはまず罰したり叱ったりすることを否定します。また、子どもに恥をかかせたり、面目を失わせたりすることで行動を改善することでは何も得ることはできない、といっています(「個人心理学講義」八一頁)。
~中略~
よく罰したり辱めることで子どもたちを奮起させることができると考える人がいますが、勇気が子どもたちに残っていなければ、子どもの勇気をくじくだけである、とアドラーはいっています。罰したり叱ったり批判すれば、なによりも関係が悪くなります。
また罰の効果は一時的であり、罰する人がいなければ不適切な行動をするでしょう。不適切な行動をしないまでも、積極的に適切な行動をしなくなることもあります。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)
P58
P60
さらに悪いことに子どもが大人と自分とどちらが正しいかはっきりさせてやろうではないかという権力争いを挑んできたときに、もしも大人が子どもたちに勝ってしまうと、もはや面と向かって反抗することはなくなり、表に出てこないで、たとえば非行に走るというような形で大人に対して復讐を始めることがあります。
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