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己が長所は忘れるがよい [処世]

[第百六十七段] 前略~
自分の知識をふりかざして人と争うのは、角のあるものが角を突きかけ、牙のあるものが牙をむき出しにする類である。
人としては、己が長所をほこらず、ほかと争わないのが、よいのである。他にまさっている所があるのは、(実は)大きな欠点である。身分・家柄が高いにしても、才芸が優れているにしても、先祖の栄誉にしても、他人にまさっていると思っている人は、たとえ口に出して言わなくても、心の中には多くの罪とががある。
よく気をつけて、人にまさっている点を忘れるがよい。たわけにも見え、人から非難もされ、災難をも招くのは、この慢心にある。
一つの道でも真に達している人は、自分ではっきりと自分の欠点を知っているので、いつまでたっても、もうこれでよいということがなくて、物事に誇るということがない。

徒然草―現代語訳
吉田 兼好 (著), 川瀬 一馬
講談社 (1971/12)
P268

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臼杵石仏

友達の欠点をあげつらう人々がある。それによって何の得るところもない。私は常に敵の功績に注意を払い、それによって利益を得た。
(「格言と反省」から)

ゲーテ格言集
ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
新潮社; 改版 (1952/6/27)
P37


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