SSブログ

言葉で伝えれば相手もわかってくれる、なんていう考えは甘い [対人関係]

 なぜここ(住人注;コミュニケーション教育)に力を入れるかというと、仕事というのはコミュニケーションをすることだと思っているからです。
~中略~
コミュニケーションというのは人間対人間の問題なので、正解はないということを理解しておくことも大切なんですね。
~中略~
 私がこの教育を通して知識として身につけてほしいことは、コミュニーケーションの主体は相手にあるということです。
多くの人は、自分が何を言うかばかりを気にしがちなのですが、そうでなく、相手がこちらの発言をどう受け止めて、どういう行動につなげるのかを気にしながらコミュニケーションをしていくことが大切です。
自分が言ったか言わないかではなく、相手がどう思うかなのです。  

こうして企業は再生する 2011年11月
大久保 恒夫 (その他), 野田 稔 (その他)
NHK出版 (2011/10/25)
P66  

DSC_6308 (Small).JPG

緒方宮迫西石仏

 人間は、圧倒的にコミュニケーション能力が不足していると思います。これについて様々な場でとかく指摘されているようですが、私たちはよく、それを安易に「会話力」と結びつけてしまいがちでしょう。
これは、私は間違いだと思っています。コミュニケーションというのは、そもそも体全体で行うことなんですよ。/p>

マネジメントは動物園に学べ 2011年5月 (仕事学のすすめ)
小菅 正夫 (その他), 野田 稔 (その他)
NHK出版 (2011/4/25)
P100

P102
「言葉で伝えれば相手もわかってくれる、なんていう考えは甘いのです!」
 野生動物というのは、絶対に弱みを見せません。なぜなら、そんなところを敵に見せようものなら、真っ先に襲われてしまうからです。
裏を返せば、彼らはそうした世界において、同時に、相手を読み解く訓練を、常日頃からしているわけです。ですから、人間が考えていることなんて、いとも簡単にわかってしまうんですよ。

 残念なことに、人間は進化の過程で言葉を獲得したゆえ、こうしたコミュニケーション能力が極端に欠如してしまったのだと思うんです。
それに、人間にしても、弱みを見せたくないとか、辛さを見せたくないという気持ちゆえ、嘘をついたり虚勢を張ったりもしますよね。
その時、言葉ではいくらでもうまいことを言えるわけですから、そういう人に対して、「言えばわかってくれるだろう」、「何かあれば言ってくれるだろう」と過信してしまったら、真実は何も見えて来ないのです。

 世の中には話してもわからない手合いが多い。
理解力がないというより、他人を理解しようという姿勢がまるでとれない連中であり、なにかの我執と病的に強い自尊心だけで生きている。~中略~
 そこへゆくと、桂小五郎などはこういう手合いに対して巧者であった。天性警戒能力にめぐまれた桂はこの種のけだものどもがやってくればかならず会う。会ってその話を心から傾聴するという姿勢をとってやる。
となれば、かれらの病的に鋭敏な自尊心がなだめられるわけで、桂に敵意をいだかなくなる。かれらにとって重要なのは政治的奔走人としての自尊心の満足であり、その意見や主張が通るか通らぬとかは、二のつぎなのである。

花神 (下巻)
司馬 遼太郎 (著)
新潮社; 改版 (1976/08)
P108  

我々一人一人は孤独な塔にいる囚人であり、人間社会を構成する他の囚人と、習慣的な記号を用いて意思疎通を図る。
だが、その記号の解釈の仕方が必ずしも同一ではない。さらに、人生は、残念ながら、誰しも一回しか送れない。誤りを犯せば、まず修復できぬままだ。
だとすれば、あちらこちらの人に対して、人生の送り方など、どうして指図できようか。生きていくことは難しい。自分の人生を完全な充実したものにするだけでも、随分苦労してきた。
(「幸福者一九二四年)

モーム語録
行方 昭夫 (編集)
岩波書店 (2010/4/17)
P26

どんなにたびたび他人を誤解するかということを意識したら、だれも集会であまり多くを語らないだろう。
(「親和力」第二部第四章から)

ゲーテ格言集
ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
新潮社; 改版 (1952/6/27)
P36


 いくつかのリスクコミュニケーションの失敗の背景には,行動科学によって明らかにされてきた共通の問題点が見られる.
たとえば,情報の送り手は自分の考えが一般常識であると過度に考えてしまう傾向があり,その結果,説明不足になりがちである.
同様に,自分の意図をうまく伝えていると過大評価する傾向もあり,その結果,他者が行間を読んでくれるはずだと過剰に期待する傾向がある.
人は,自分がそうせざるをえなかった状況を他者もよく理解してくれているはずだと過大に思いすぎ,その結果,自分の行為の理由について,説明を怠ってしまう傾向がある.
~中略~ リスクコミュニケーションはほかにも特殊な難問に直面する.
そもそもリスクコミュニケーションにおいては,リスクの内容について山のような技術的情報の中から少数の重要な事実を抽出し,専門家ではない人にも理解できるように表現しなければならない.

リスク 不確実性の中での意思決定
Baruch Fischhoff (著), John Kadvany (著),中谷内 一也 (翻訳)
丸善出版 (2015/4/26)
P171


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント