ほめるのではなく勇気づけ [教育]
ほめるというのは、能力のある人が能力のない人に、あなたは<よい>と上から下へと相手を判断し評価する言葉ですから、下に置かれた人は愉快ではないのです。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)
P62
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
- 作者: 岸見 一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1999/09/15
- メディア: 新書
到津の森公園
P69
困難な克服できない障害ではなく、それに立ち向かい征服する課題です。たしかに忍耐も地道な努力もいるかもしれないが、自分には課題を達成できる能力があるという自信を持つように援助することができれば勇気づけができた、ということがでできます。
~中略~
ほめるのとは違って、すなわち、評価するのではなく、喜びを共有すること、自分の気持ちを伝えることは勇気づけになります。当たり前だと思って見逃しがちな行為に対して「ありがとう」とか、「うれしい」とか「助かった」といってみます。
~中略~
勇気づけが無効であるのは次のようなケースです。
子どもが適切な行動をしたときに、ここでありがとうといっておけば次回も適切な行動をしてくれるのではないか、と考えて言葉をかける場合です。このようないわば下心がある場合は勇気づけにはなりません。
~中略~
このような危険を回避するために、「存在」そのものに注目したいのです。何をしたからではなく、ただ「存在」していることがすでに喜びであるということを伝えてみます。
P82
以上見てきたようにアドラー心理学の育児は、賞を用いることで適切な行動をさせようとする甘やかしの育児でも、不適切な行動を許容する放任育児でもありません。また、罰によって不適切な行動を止めさせようとするスパルタ育児でもありません。
~中略~
そうではなくて、力で押さえず根気よく話し合います。優しいというのはこういう意味です。
他方、課題を分離し、自力で課題に立ち向かえるのであれば不必要な介入はしないという意味できっぱりと接するのです。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
- 作者: 岸見 一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1999/09/15
- メディア: 新書
親はつい子どもの才能や知能をほめて、気分をよくさせたくなるものだ。だが、研究によると、そうしたほめ言葉はいい結果を生まないようだ。ほめるなら子どもの努力や、集中力、時間の使い方などをほめるほうがはるかに効果がある。
たとえば、あなたの子どもが試験でいい点をとったら、「ずいぶんよく勉強したね」「遊びに行ったりしないで、時間をちゃんと使ってえらかったわ」「大変だったのに、よくがんばったね」などとほめる。
同じように、子どもが学校のサッカーチームの選手になったら、きびしい練習に耐え抜いた力や、ほかのメンバーと仲良くできたことなどをほめる。こうしたほめ言葉で子どものがんばる力や柔軟性、忍耐力がはがまされる。さらにそれらの点を明確にするために、子どもが自分の使った技術や作戦を思い出せるような質問をする(「今日の試合で、どこがいちばん楽しかった?」とか「困ったときは、どうやって切り抜けたの?」など)。
そしてほめるときは、できるだけ具体的にほめること(「サッカーがうまいね」ではなく、「今日は、とてもうまかったね」など)。
その科学が成功を決める
リチャード ワイズマン (著), Richard Wiseman (原著), 木村 博江 (翻訳)
文藝春秋 (2012/9/4)
P283
「You」の立場で誰かを承認しようと思ったら、ちょっと立ち止まってそれを「I」の立場の承認に変えてみてください。相手の反応は、驚くほど違うと思います。
コーチングが人を活かす
鈴木 義幸 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2013/3/1)
P75
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