精神的に健康であるということ [養生]
まず、自分を受け入れることが一つの条件です。
アドラーはいいます。「大切なことは何があたえられているかではなく、与えられているものをどう使うかである」と(「神経症の諸問題」Problems of Neurosis,P.4)。
自分という道具はたしかに癖があるけれども、大切なことはこれをどうやって使いこなすかということです。そのためにはこの自分という道具を好きになる、あるいは英語の表現でいうと自分を受け入れる(accept)ことができなければなりません。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)
P100
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
- 作者: 岸見 一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1999/09/01
- メディア: 新書
P104
しかし自分のことを受け入れる、自分のことが好きであるだけでは十分ではありません。
まわりの人は隙があれば自分を陥れようとしている敵である、と考えていたのでは、たとえ自分が好きであっても、そのような人のライフスタイルは健康であるとはいえませんし、幸福であることもできません。人に対して敵対的であり、敵国の中にいていつも危険にさらされている、と感じているからです(「個人心理学講義」九六頁)。
P106
自己受容もできる、他の人も信頼できる・・・・それだけでは十分ではありません。まわりの人はいい人だけれど、自分はまったくの役立たずだ、と思っていると幸福になることはできません。
人から受けるだけではなく他の人に与える、あるいは、他の人から受けるだけではなく返すということがなければなりません。
P110
自己受容、他者信頼、他者貢献はどれ一つ欠くことができません。他の人に貢献できる自分が受け入れられるのであり、貢献するためには他の人を信頼できていなければならないからです。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
- 作者: 岸見 一郎
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1999/09/01
- メディア: 新書
コメント 0