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笑顔は万国共通 [対人関係]

  ちなみに、(住人注;イヌが)シッポを振るのは喜んでいるのではなくて、ある種の緊張状態で生じる反射的な行動です。人でいうところの「貧乏ゆすり」などと似ていて、無意識でオートマティックな」動作です。
~中略~
笑いは、言語があるからこそ生まれたと考える人もいます。でも、言語がなくても笑いが人間に備わっているのは、赤ちゃんが笑顔を作ることができることを見ればわかります。ただ、あの笑いが面白くて笑っているのではないことは、ほぼ確実です。
あの笑顔は、<シグナル>として存在しているのだと思います。

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?
池谷 裕二 (著)
祥伝社 (2006/09)
P168   

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P169
 このように私は、笑顔の最初の原型は、相手に、「自分は今申し分ない状態にあります」ということを伝えるためにできたのではないか、と思い至るようになって、普段から他人の笑顔をしばらく観察してみました。
~中略~
 笑顔は万国共通です。アメリカ人の笑顔も、日本人の笑顔も似ています。古代壁画を見ても、笑顔の形は今と同じです。
つまり、顔の表情は地域や時代を超えて一致しています。

「でも私たちイタリア人は皆ニコニコして、すばらしかった、面白かった、と日本の人たちに言うわ。それは礼儀であり、半分お世辞よね。だって笑顔はタダだから。そういうこと、日本でもあるでしょう?でもあの日本の人たち、わかっていなみたいね」
~中略~
そうだ、日本では私たちもお世辞を言うではないか。日本人同士なら「あ、この人、お世辞を言っている」と子供でも分かるはずなのに、なぜかヨーロッパの人々が言うことは言葉通り通りに受けとってしまうようだ。自分の国では、お世辞と本音を見抜くことができる日本人が、なぜ外国人、特に欧米人の言葉は額面以上に受けとめてしまうのか。
 その原因は、こちらの人々の笑顔かもしれない。見知らぬ人にとびきり笑顔で接するのは、あまり日本ではないことだから。
 ヨーロッパの人々は知らない人同士でも顔が会うとニコッと笑う。なんのためかといえば「私は、あなたを警戒してませんよ」という合図。ただそれだけなのだ。しっかり覚えておいてください。マリアが言うように「笑顔はタダ」なのです。
 最近あまり聞かれなくなったが、「ジャパニーズ・スマイル」という言葉がある。日本人があいまいに笑うことが指すが、ヨーロッパの人々の笑いには意味があることを忘れてはいけない。
 ヨーロッパのひとの笑顔に過大評価は禁物です。

一度も植民地になったことがない日本
デュラン れい子 (著)
講談社 (2007/7/20)
P200

P41
 人がなにを感じ、なにを考えているかは、そのしぐさや表情からだいたい読み取れる。悲しいときはなく。うれしいときは微笑む。賛成のときはうなずく。それは不思議なことではない。
だが、”固有反射心理学”と呼ばれる研究分野では、同じことが逆方向にも働くと考えられている。人にある行動をとらせると、ある種の感情や考えが呼び起こされるというのだ。
~中略~
 まったく同じことが、幸福感にも言える。人はうれしいと微笑むが、微笑むことでうれしくもなる。そして自分の笑顔を意識しなくても、この効果は働くようだ。

P43
 あなたの日常にすぐにでも取り込めるしあわせは、沢山ある。なかでもだいじなのが、”笑う”こと。ただし、感情のこもらない一瞬で消える笑いではない。笑顔を十五秒から三十秒続ける。ほんものの笑顔を引き出すような場面―友だちからおかしなジョークを聞いたとか、来るはずだった姑が結局こなくなったとか―を思い描きながら、できるだけ楽しい表情を浮かべる。そして、くり返し笑顔を浮かべるための合図を考える。時計やパソコン、携帯電話などに笑う時間をセットしたり、あるいはもっと大まかに、電話が鳴ったらにっこりするというふうに決めておくのだ。

P44
 ビーレフェルト大学のペーター・ボルクナウ教授の研究によると、しあわせな人は、ふしあわせな人と行動の仕方がちがう。この結果を応用して、しあわせそうにふるまうと、幸福感を高めることができる。つぎのことをお勧めしたい。
歩くときは肩の力を抜き、いつもより腕を大きく振り、足どりを軽くする。~後略

その科学が成功を決める
リチャード ワイズマン (著), Richard Wiseman (原著), 木村 博江 (翻訳)
文藝春秋 (2012/9/4)


P63
認知能力の低下した人でもそうでない人でも、外国人であっても、その相手と視線があった瞬間ニコッと笑顔を作ってあげると、ほとんどの場合に笑顔が返ってきます。
今までの経験では、文化的差の認められない普遍的な「反射」です。この反射が重要なのは、ウィリアム・ジェームスが指摘しているように、表情筋の運動、たとえば笑顔をつくることによって「たのしい」「うれしい」などの情動が誘起される事実があるからです。

P65
 ひとつ警告しておきます。この貴重な「情動誘起」の試みは認知能力の低下した高齢者に対しては、まず一〇〇パーセント適用できます。いくつかの途上国でも子どもたちの輝くような笑顔に感激させられました。アメリカでも、老若男女を問わず非常に高率で有効でした。
しかし、認知能力は落ちていないとうぬぼれているらしい若い日本人女性には、時として禁忌であるのは残念です。孤立した不安な魂は、見知らぬ人からの刺激を反射的に「ハラスメント」と即断する傾向があるからです。

「痴呆老人」は何を見ているか
大井 玄 (著)
新潮社 (2008/01)


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