夫子の道は忠恕のみ [倫理]
一五 子曰わく、参( しん )よ、吾が道は一以てこれを貫く。
曽子曰わく、唯( い )。子出ず。
門人問いて曰わく、何の謂( いい )ぞや。曽子曰わく、夫子の道は忠恕のみ。
~中略~
忠は自己の良心に忠実なことであるが、それだけでは他人に通用しがたい。そこで、他人の身になって考える知的な同情が必要である。それが恕であり、忠と恕が結合して一体となっているのが仁なのである。
この孔子の、曽子との「 一貫 」についての問答は、儒教、とくに宋以後の学者にとっては、「 論語 」全巻の根本の原理を述べたことばとして重要視されている。
里仁篇
論語
孔子 (著), 貝塚 茂樹
中央公論新社 (1973/07)
P102
コメント 0