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臨終ビジネス [医療]

ほとんどの医者は、「自然死」を知りません。人間が自然に死んでゆく姿を、見たことがありません。
だから死ぬのにも医療の手助けが必要だなどと、言いだすのです。
「死」という自然の営みは、本来穏やかで安らかだったはずです。それを、医療が濃厚に関与することで、より悲惨で、より非人間的なものに変貌させてしまったのです。

大往生したけりゃ医療とかかわるな
中村 仁一 (著)
幻冬舎 (2012/1/28)
P5

TS3E0528 (Small).JPG旧門司税関庁舎

中村(住人注;中村仁一) 今の保険制度は、なだらかな変革ではおいつきませんからね。もう若い世代が支えきれないから、一気につぶれるでしょう。そしたら今度は、今までと同じようにはいかなくなる。年寄りがちょっと具合が悪いと病院に行く、弱ったら病院に行くというのが難しくなってきますよ。
『大往生したけりゃ医療とかかわるな』の読者も、そこを予感しているのかもしれませんね。それと「長寿社会」っていうけど、実は「長寿地獄の社会」でしょ。 いい状態で長生きできるとしたら、けっこうな話だけど。
近藤(住人注;近藤誠) 長命地獄だし、医療地獄ですよね。~中略~
 死ぬ前は特にひどい。日本人が一生に使う医療費の2割が、死ぬ直前に使われるんだから。それがなければ、医療産業っていうのは成り立っていかないんですよ。
中村 だから「香典医療」と言われるんです(笑)。
近藤 もし死ぬ前の医療がストンとなくなったら、医療界の売り上げが2割落ちるわけでしょ。ある産業でいきなり2割、売り上げが減ったらつぶれますよ。

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ
別冊宝島編集部 (編集)
宝島社 (2013/4/22)
P122

 看護というのは、患者が息を引き取るまでできる。医学による医療では「もうこの患者はお手上げで何もできません。あとは亡くなられて、おしまいです」ということはある。
 だけど、「おしまいです」と言う医者はまだいいんです。死ぬまで、一秒でも長く息をするようにしてあげるというのは可哀想だよ。そう思わんのかな。
安楽死させることもなかろうけれど、長く生かす競争みたいなものや、息だけ長くさせるようにする医療はどこかおかしいんじゃないかと思う。
どのぐらいまで死にかかっている人を生かすのか、どこで折り合いをつけるのがいいんだろうかと、難しいけれど、みなさん、考えてください。悩んでください。悩まないとバカになる、機械になるよ。

神田橋條治 医学部講義
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P041

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