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精一杯おいしくたべよう [雑学]

 料理の材料にしゅんがあるように、味にも最もうまいという時間があります。焼きざましがまずいのは、時間が外れているからです。ですから、ささやかな食卓でもせめて精一杯おいしくたべようというには、許せる範囲の行儀のわるさなら目をつぶって、食べ時を逃さないほうが、私は好きです。
これからの季節もの、さんまや鯖の塩焼など、一番おいしい食べ方は七輪のそばで、ちょんつくばいにしゃがんで、焼きたてをすぐ食べることです。
いいじゃありませんか。行儀というのも常識ですが、ちょっと常識をはずしてみると、さんまのおいしさも際立ちますし、食べる人にも活気が立ちます。
(一九七八年 七十四歳)

幸田文 台所帖
幸田 文 (著) , 青木 玉 (編集)
平凡社 (2009/3/5)
P147

IMG_0010 (Small).JPG大谷山荘


タグ:幸田 文
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