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美意識の劣化 [日本(人)]

 倫理観以上に移ろいやすいのは美意識だ。戦前には自己顕示欲は見苦しいものであり、剽軽(ひょうきん)は恥ずかしいことだった。
勝利の悦びを顔に出さず敗北の口惜しさを口にしないのが美学だった。
それが今ではことごとく逆、男女を問わずテレビカメラに顔を突き出し、就職試験では剽軽を売りものにする。勝てば全身で悦びを表し、負ければ思いつく限りの言い訳をする。その方が喝采を浴びる。
「あるべき明日」

堺屋太一の見方 時代の先行き、社会の仕組み、人間の動きを語る
堺屋 太一 (著)
PHP研究所 (2004/12/7)
P279

DSC_9745 (Small).JPG平山温泉


電車の座席でお化粧をしたり、物を食べたりしている人たちには「私は誰にも迷惑かけていないし」という意識があるように思います。
 二人分の席を占領しているわけでもないし、ゴミを散らかしているわけでもない。ちゃんとお金も払っているし静かに乗っているのだから、何をしようとこっちの勝手ではないか。そんな声が聞こえてきそうです。
 しかしそんな人たちも、美しくいたいという気持ちは必ず持っています。
「今あなたがやっていることは、美しい行為でしょうか?」  ただ注意されただけでは反発する人も、そんな問いかけには必ず心を動かされるはずです。
 もちろん、これは自分自身に問いかけてほしい言葉です。どんなに心が乱れる時も、「美しい自分」でいられるよう、自分を律していきましょう。

怒らない 禅の作法
枡野 俊明 (著)
河出書房新社 (2016/4/6)
P163


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