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尖閣(国土)を守る覚悟はあるのか [日本(人)]

すなわち尖閣が中国による攻撃を受けた場合、米軍が助けに出るためには合衆国憲法にのっとり、まず大統領が軍事力の行使を決意し、ついで連邦議会がそれを承諾しなければなりません。
アメリカ議会は世論に従って動きますから、問題は米国世論が尖閣防衛を支持するかどうかということになります。 はるか彼方にある日本領の小島のために、アメリカ大陸を射程内に入れた核ミサイルを有する中国と一銭を交えるなどということを米世論が支持するとは、少なくとも私には到底考えられないのです。

 米軍が助けに来るとしたら、日本軍が一ヵ月ほど必死に戦っても支え切れず、石垣島や宮古島など南西諸島全体までが危うくなった、などという場合だけではないでしょうか。
尖閣でいざこざの起きた時はアメリカも肝を冷やし、中国に自重を強く求めたはずです。 中国が尖閣占領のような軍事行動に出た場合、米軍が助けに来ないのを日本が知ってしまう可能性があったからです。日米同盟ががたがたになるのを恐れたはずだからです。

日本人の誇り
藤原 正彦 (著)
文藝春秋 (2011/4/19)
P13

日本人の誇り (文春新書)

日本人の誇り (文春新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/04/19
  • メディア: 新書

 

TS3E0668 (Small).JPG呉市 下浦刈 安芸灘大橋

P14
日本は今、自国を自分の力で守ろうともせず、安保条約のまやかしにも気付かぬまま、気付いてもそれを正そうともせず、守られているという幻想の中で安眠しています。周囲のあらゆる国に対し腰を屈(かが)め、揉み手をし、媚笑を浮かべ、風波を起こさぬことだけを心がけて振る舞っています。

P16
自らの国を自分で守ることもできず他国にすがっているような国は、当然ながら半人前として各国の侮りを受け、外交上で卑屈になるしかありません。そして国民は何よりも大事な祖国への誇りさえもてなくなってしまうのです。

 

日本人の誇り (文春新書)

日本人の誇り (文春新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/04/19
  • メディア: 新書

P022
白井 ~前略 
 その時の価値(住人注;価値観を共にする国家同士が、緊密な関係を構築することが出来るという「価値観外交」)とは、代議制民主主義であり、人権であり、法の支配である。それにひきかえ中国は独裁国家で人権侵害していて、法の支配もきわめていい加減である。
だから日本とアメリカは仲良しで、中国は仲間外れだ。価値観外交というのはそういうことをアピールするためのワードだったわけです。
 しかし、今やその仲良しだったはずのアメリカが「日本と我が国は、価値を本当に共有しているのかね?」と疑問を突き付けてきている。
結局のところ、第二次世界大戦についての歴史の解釈の問題をめぐって価値を共有しているのは、日米ではなく米中である。両者とも戦勝国ですからね。彼らからすると、大日本帝国というのは侵略戦争をやった国家でしかない。

P119
笠井 日米同盟が崩壊したら、中国に屈服して従属国になるか。そういうわけにはいきません。
そのとき我々も反戦主義を放棄して、アメリカの援助なしでも中国に徹底抗戦するしかないですね。
もしも中国軍が日本列島を占領したら、中国兵を一人殺すために日本人が一〇人死んでもいいというゲリラ戦を五年でも一〇年でも続ける。
~中略~
世界内戦の二一世紀では、世界最強のアメリカ軍もアフガンで敗退しました。アフガンと同じような試練を乗り越えなければ、この国の自己欺瞞と日和見体質は変わらないと思います。 

日本劣化論
笠井 潔 (著), 白井 聡 (著)
筑摩書房 (2014/7/9)

 

日本劣化論 (ちくま新書)

日本劣化論 (ちくま新書)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/07/09
  • メディア: 新書

 

 

 

P12
 佐藤 ~前略
「尖閣諸島や中国との関係で大変な事態になったら、集団的自衛権の行使で助けに来てください。しかし自衛隊は中東には行きません。うちの役に立つ時は助けに来てください。
しかし、こちらからは助けに行かないけど」というのが、日本流の「集団的自衛権」です。

P24
 池上 ~前略  一方、尖角問題では、アメリカが迷惑がっています。とくにアメリカの民主党は、もともと中国重視ですから、「何かあったらアメリカは日本に肩入れしなきゃならないんだから、中国と事を荒立てるようなまねはするなよ」という思惑が強いですね。
 佐藤 アメリカは、領土主権に関しては、一貫して「中立だ」と言っていて、この立場を崩していません。根本においては、日本の味方ではないのです。

P25
 佐藤 アメリカと中国は、結局、対峙しないと思います。金持ち喧嘩せずです。
 アメリカ国務省も、主流はやはり中国重視です。

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方
池上 彰(著), 佐藤 優(著)
文藝春秋 (2014/11/20)


 

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/20
  • メディア: 単行本

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