最後の言葉 [宗教]
五一 そこで尊師は修行僧たちに告げられた。「さあ、修行僧たちよ。わたしはいまお前たちに告げよう。―もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠けることなく修行を完成なさい。久しからずして修行完成者は亡くなるだろう。これから三ヶ月過ぎたのちに、修行完成者は亡くなるだろう」と。
尊師、幸いな人、師はこのように説かれた。このように説いたあとで、さらに次のように言われた。―
「わが命は熟した。
わが余命はいくばくもない。
汝らを捨てて、わたしは行くであろう。
わたしは自己に帰依するこおとをなしとげた。
汝ら修行僧たちは、怠ることなく、よく気をつけて、
よく戒めをたもて。
その思いをよく定め統一して、おのが心をしっかりとまもれかし。
この教説と戒律とにつとめはげむ人は、生まれをくりかえす輪廻をすてて、苦しみも終滅するであろう」と。
ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経
中村 元 (翻訳)
岩波書店 (1980/6/16)
P96
P158
七 そこで尊師は修行僧たちに告げた。―
「さあ、修行僧たちよ。お前たちに告げよう。「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠けることなく修行を完成なさい」と。
これが修行をつづけて来た者の最後の言葉であった。
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