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お箸の国 [日本(人)]

 日本史の時間に「南蛮人渡来」と習ったが、私は「南蛮人」という言葉に”南から来た野蛮な人”というイメージはまったくなかった。~中略~
 毎日風呂に入る習慣がないのと同様、土足で部屋に入るバテレンたちは、当時の日本人にはまさに野蛮人と映ったことだろう。
~中略~
それからもうひとつ。当時の日本人はバテレンたちを「南蛮人」と呼んだのは、食卓でナイフを使うためもあったのではないだろうか。人や動物を殺す刃物を食卓で使うのはエレガントでない。
箸という優雅なものを常用していた日本人にとって、やはり彼らは野蛮人だったと思われる。

一度も植民地になったことがない日本
デュラン れい子 (著)
講談社 (2007/7/20)
P98

TS3E0607 (Small).JPG長府 そば処  はつ花  

P120
東京駅で弁当を選ぶ。なんとまぁ、いろんな種類があることか!日本人にはあたりまえなのだろうが、定番の幕の内の他にも、ひとつひとつにアイディアがあり容器に工夫が凝らされていて、ビギーの感嘆の対象となるのも無理はない。
「たかが弁当、されど弁当」こんなにエネルギーをつかって創造性をふくらませている国民は、たぶん日本人しかいないだろう。汽車の中でそんな話を熱心にした。
 でも毎日毎日、日本的工夫のこらされた駅弁ばかり食べていたら、ただパンにバターを塗ってハムをはさんだだけのヨーロッパ風サンドイッチが恋しくなるかも。「日本人はディテールにこだわりすぎる」と批判するヨーロッパ人がいるのも、一方でうなずける。

P123
地方地方の特色をこんなに出しながら、弁当という”小さな宇宙”に詰め込む日本人の智恵。折りや紙の箱に一食を、それも工夫を凝らしてまとめるという発想は、ヨーロッパにはないものだ。「まさに箱庭の発想」と全員がうなる。

P124
 なぜ日本にこういう弁当文化が花開いたのか、各人いろいろ意見を出したが、今回日本に初めて来たエイドリアンがこんなことを言い出した。
「それはね、お箸のせいですよ。僕は日本に来て初めてお箸を使った。サンドイッチはすぐに食べられるけど、こんなに工夫を凝らして彩りよく並べた弁当は、手で食べたくないよね。「駅弁」はお箸の国ならではの文化です。


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