弱い結びつきの強さ [社会]
さて、これまでお話してきたコールマン(住人注;ジェームズ・コールマン)流のソーシャル・キャピタル論は、人と人の深い関係者がメリットをもたらす、という主張でした。
しかし、人と人のつながりというのはつねに深くあるべきなのでしょうか。たとえば「親友」と「ただの知り合い」を比べたら、つねに前者のほうがみなさんにメリットをもたらしてくれるのでしょうか。
実は、そうとも限らない、人と人の関係はそんなに単純ではないということを提唱し、実証してきたのが「関係性のソーシャル・ネットワーク」とでも呼ぶべき分野の研究者たちなのです。
この分野の礎となった研究者は、スタンフォード大学のマーク・グラノベッターです。~中略~ グラノベッターの論文タイトルは「Strength of Weak Ties(弱い結びつきの強さ)」といいます。
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
入山 章栄 (著)
英治出版 (2012/11/13)
P158
世界の経営学者はいま何を考えているのか ― 知られざるビジネスの知のフロンティア
- 作者: 入山章栄
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/09/01
- メディア: Kindle版
P163
弱い結びつきは強い結びつきよりも簡単に作れます。ある人と親友になるのは難しくても、名刺交換をしてとりあえず知り合いになるのは、はるかに簡単です。ということは、弱い結びつきのほうが強い結びつきよりも、より多くの人に、遠くのところまでネットワークが伸びやすくなります。
そのように遠くまでネットワークが伸びれば、その中にはいろいろな背景をもった人がいますから、より多様な情報が手に入るようになります。
世界の経営学者はいま何を考えているのか ― 知られざるビジネスの知のフロンティア
- 作者: 入山章栄
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/09/01
- メディア: Kindle版
コメント 0