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インフォームド・チョイス [医療]

 100メートルを11秒台で走ることのできる義足を欲するパラリンピックの選手もいるでしょうが、普通に歩くことができる義足で十分満足する方も大勢いるわけです。
同じように、インプラントでなくても義歯やブリッジの機能で満足できる患者さんもいらっしゃいます。
 つまり、リハビリテーションの道具は、患者さんの価値観や期待によって選択されるべきものなのです。
歯科医師が「あなたは絶対にインプラントにするべき」と断言することは、決してあってはならないことです。インプラント治療と従来の治療法の利点、欠点について詳しく説明を受けた上で、患者さんが自らの意志で、どの治療法を選択するかを決定することが重要であり、これを手助けするのが歯科医師の仕事であると考えます。

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい! インプラントの話 角川SSC新書
矢島 安朝 (著)
角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)
P4

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住人注; 靴と言っても、ピンヒールもあれば、本田のサッカーシューズもあれば、住人愛用のウォーキングシューズまで様々です。住人にピンヒールは似合わないだけでなく、必要としておりません。
 同様に歯の治療法を選択する際に、唯一ベストの治療法というようなものは存在しません。患者さんのニーズによって異なります。
同じ患者さんでも、年齢によってニーズは変わります。たとえば、五十歳代で「まだまだ職業的にも入れ歯は受け入れられないし、若い時のように肉なんかをバリバリ食べたい」とお考えだった患者さんでも、八十歳を過ぎて、「若い時ほどバリバリ噛めなくていいし、若い時ほど上手にプラークコントロールするのは煩わしい」
、となる患者さんもおられます。

ですから、インフォームド・コンセント(説明と同意)よりもむしろ、インフォームド・チョイス(説明を納得して選択)が大切です。
それぞれの治療法のメリット、デメリットを十分理解し、納得した上で治療を開始しましょう。

中川 多くの患者さんは、やはり医師から奨められる延命治療を受けることになるわけですが、たまにですね、よくお話ししたあとに、自分の意見で延命治療をしないという方はおられますね。
 ある患者さんは外資系のキャリアウーマンで、乳がんでした。30歳半ばで亡くなりましたが、最初に、完治しないということをお話しして、治療法としては抗がん剤療法がありますと説明しました。すると彼女は、「それはどれくらい私の寿命を延ばすんですか」ということをおききになるので、「2年から3年です」と私は答えました。
 さらに彼女は、「それはどれくらいの負担があるんですか?お金はともかく、時間的、とくに肉体的に」とたずね、私は「それは入院も必要でしょう」といったことをお話ししました。
 すると彼女は、「それであれば、私は抗がん剤治療を選びません」といわれて、その後、旅行に行かれたり、お酒を飲まれたりして、毎日をエンジョイされました。
 もうこれから、あまりお金もいらないから、いままで、お金がもったいなくて飲めなかった高いワインを飲んだりされて、最後は、ある意味、自分の思い描くような死を受け入れておられました。
 そうかと思うと、やはり少しでも長く生きたいというふうに思われる方もいらっしゃいます。たとえば仕事のために少しでも長く生きなくてはならないとかですね。ただ、そうはいっても結果的に抗がん剤の副作用などで仕事もできないわけですね。
 自分の意志に反して、ずっと寝ていなきゃいけないという形で迎える死というのも決して少なくありません。
 これもどちらが良いとか悪いとかいえるものではありませんし、私も延命治療を否定するのではありません。ただ、患者さん自身が、その治療にいったいどういう意味があるのかということをよく理解されて、そのうえで、納得してご自身で治療法を選ばれるということが必要なんあろうと思いますね。
 その点では、医者のいわゆるインフォームド・コンセントというのも、ただ「がんですよ、こういう治療法がありますよ」というだけでなくて、その治療法の本質というか、そこをお話ししないといけませんね。患者さんは延命治療ということから、5年、10年生きられるという感覚を持たれますのでね。

自分を生ききる -日本のがん治療と死生観
中川恵一 (著), 養老孟司 (著)
小学館 (2005/8/10)
P70


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