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うまい話と自慢話は要注意 [医療]

 かって私は50代の女性患者さんんから、「先生はインプラント科の教授なのに、なぜそんなにインプラントの悪口ばかり言うのですか?」と問いただされた経験があります。私は何も「悪口」を言ったわけではありません。
「インプラント治療には大きなリターンはあるが、それを得るためにはリスクもあり、リスクを軽減するためにはどんなことが必要か」を淡々と説明していたつもりでした。 しかし、患者さんはそれを「悪口」ととらえたのです。
新聞、雑誌、インターネットの広告には、「インプラントは第二の永久歯」「一生使える」「何でもよくかめる」といった”バラ色”の美辞麗句が並んでおり、私達の診療科を訪れる患者さんの多くは、インプラント治療に対して過度な期待を抱いています。

 そこで当科では、そうした幻想をすべて否定するところから話を始めます。
リスクを十分理解し、自らの価値観や期待に照らした上で、インプラント治療を行なうかどうかを、患者さん自身に判断していただくことがなにより重要なのです。

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい! インプラントの話 角川SSC新書
矢島 安朝 (著)
角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)
P46

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P54  来院された患者さんに、インプラントには長い治癒期間が必要であることを説明すると「宣伝されていたインプラントの手軽なイメージと違う」と驚かれる方がおられます。
「インプラントを入れてなるべく手っ取り早くかめるようになりたい」と思って来院したのに、インプラント体の埋入手術から3~4ヵ月もの間、歯が入らず、強くかむこともできないことを、多くの患者さんは嫌がります。
 こうした患者さんのニーズを察してか、「手術後、全例ともすぐにかめるようになる」ということをうたったインプラントの広告が多く見受けられます。しかし、それは危険な誘い文句だと考えてください。
 インプラント体を埋入してすぐかめるようにすることを「即時荷重」と言いますが、そのためにはインプラント体を埋入する部位の骨の量や質、かみ合わせや全身の健康状態など、さまざまな条件をクリアーする必要があります。 「すぐかめるようになる」のは、それらをクリアーして選ばれた症例のみで、それ以外は通常の3~4ヵ月の治癒期間を待つ治療法よりも、失敗のリスクは高まることになるのです。
 世界的に「即時荷重が可能」というコンセンサス(合意)が取られている症例や対象部位は、歯がまったくない無歯顎や、下顎の臼歯(後方の歯)の部分欠損、前歯部の部分欠損だけです。 上顎の臼歯部への即時荷重の適応は、いまだ実験段階の治療方法であると見なされています。
~中略~
 即時荷重以上に患者さんの負担を減らすものとしては、歯を抜いてすぐにインプラント体を埋入してかめるようにする「抜歯即時埋入・即時荷重」という方法も行われます。
この治療法も、世界的にはまだコンセンサス が取られていません。
「手軽にすこしでも早くかめるようになりたい」という患者さんの気持は分かります。しかし、それにはリスクを伴い、通常の治癒期間を待つ方法より失敗の可能性があることを、十分に理解した上で選択してほしいと思います。( インプラント治療のコンセンサスについては、第3章で詳しく説明します )。

住人注;電話や飛び込みの営業でうまい話が向こうから飛び込んでくることは無いことはみさんよくご存知だと思います。「うまい話は要注意。耳に痛いことを言ってくれる人は信頼できる」は何にでもあてはまるのではないでしょうか。
治療のデメリット、自分の治療の限界を説明してくれる医師は信用してよいのではないでしょうか。


タグ:矢島 安朝
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