SSブログ

粒子線治療 [雑学]

(住人注;北海道がんセンター名誉院長・西尾正道氏)「X線とちがって重粒子線は直接作用といって、ダイレクトに非常にヘビーな作用で遺伝子を傷つける働きがあります。だから、放射線に抵抗性のあるがんに対しては効果的になります。悪性黒色腫とか骨肉腫、一部の腺がんなどは普通のX線ではなかなか治りにくい。
放射線抵抗性腫瘍に対しては、重粒子線治療は確かに意義があります。けれども、そういうがんの患者さんは決して多くはない」
~中略~
(住人注;北海道がんセンター名誉院長・西尾正道氏)「私は粒子線治療の適応は多く見積もってがん患者全体の5%程度と見ています。~略~ 実際にはがん患者全体の2%くらいしかいないのではないか」

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ
別冊宝島編集部 (編集)
宝島社 (2013/4/22)
P95

DSC_0913 (Small).JPG両子寺

P95 近藤氏(慶応大学医学部放射線科講師・近藤誠氏)が説明する。
「粒子線治療は線量集中制がいいということで、70年代から研究が始められてきましたが、現在のコンピュータ技術の発達によるIMRT(住人注;強度変調放射線療法)の登場などまったく想定していなかったはずです。実質的に、殺細胞効果がⅩ線と変わらない陽子線治療の必要性は薄れたと言っていい。 Ⅹ線に比べて治療効果が高いという根拠はないんだから。それでも陽子線治療施設医師は線量分布図を必ず持ち出してきて、旧来のⅩ線と比較して優位性を強調しています。本当ならばIMRTと比較すべきなのに、子ども騙しみたいなまやかしをしているのです。 略」
~中略~
(住人注;北海道がんセンター名誉院長・西尾正道氏が語るには)
前立腺がんを粒子線で治療すれば300万円かかりますが、IMRTの治療費はだいたい100万円で、保険適応があるから患者さんの負担は30~40万円ほどで済む。
~中略~
北海道がんセンターは全国でも五指に入る患者数を照射していますが、年間1500人のうち本当に粒子線治療の適応と思われる患者さんは数人しかいません」

P96
世界を見渡せば、重粒子線治療施設の場合はドイツに1ヶ所あるだけだった。近年になって中国でも1ヶ所開設されたに過ぎない。アメリカでは早い時期から重粒子線治療の研究は進められていたが、治療成績が上がらないことを理由に80年代には打ち切られたとも聞く。
取材・文 亀井洋志(ジャーナリスト)


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント