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現代の医療は検査と治療が不可分 [医療]

日本のみならず、世界的に言えることですが、現代医療の中心は”治療”です。検査によって何かが発見された場合、次に必ず治療が行われます。つまり、「常に検査と治療はセットになっている」ということです。何かが発見されたからと言って「積極的に放置するする」という態度は、よほどの場合をのぞいて考えにくいことです。
 ですから「がん検診を受けない」という選択肢があっても良いのではないかと思います。~中略~ 強制力をもつ職域健診でのエックス線検査は、ただちに廃止すべきというのが私の意見です。
~中略~
「検診を受けても受けなくても、『総死亡』の数は変わりません。そして多くの人は、がんが早期発見されても『積極的治療はしない』という選択肢を医師から提示されることはありません。現代の医療は検査と治療が不可分だからです。
治療を拒むことは『非常識』なことであり、ひいては検診を拒むことを『怠惰』である、と責める風潮があることは、私もよく認識しています。しかし、がん検診こそ『過剰な治療への第一歩』であるということを、心にぜひとどめてほしいと思います。
取材・文/山守麻衣(ライター)

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ
別冊宝島編集部 (編集)
宝島社 (2013/4/22)
P84

別冊宝島2000号「がん治療」のウソ (別冊宝島 2000)

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  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2013/04/22
  • メディア: 大型本


DSC_0908 (Small).JPG両子寺

P112
早野 前略~
 糸井さん、世界で一番甲状腺ガンが発生している国はどこだと思いますか?
糸井 え、どこだろうな。わからないです。
早野 圧倒的に大きい国、それは韓国なんです。統計上、韓国が世界で一番甲状腺ガンが多い国。なぜかというと、乳ガンのエコー検診をするときに、道具が同じだから、ついでに甲上腺も検査しましょう、ということを大々的に行ったんです。で、結果的に他の国とは比べものにならないほど大勢の甲上腺を検査した。をの結果、人口当たりの甲上腺ガンの患者数が、5倍以上に跳ね上がったんです。
 ですから、そういうデータを知っていた方はわりと早い時期から、「甲上腺のガンというのは、探せば出るんだ」って言ってたんです。

P114
早野 前略~
 福島の方は、不安やリスクがありますから、きちんと検査をして、異常があればきちんと見守って、経過によっては手術でガンを除去する、ということが必要だと思います。
しかし、甲上腺ガンというのは非常に進行の遅いガンで、ガンの中では危険度が低いんです。わかりやすくいうと、ほぼ命に別状がない。ですから、検査すれば甲上腺にガンが見つかるけれども、見つからないまま過ごして、他の病気で亡くなる保持者の方がとても多いと言われているんです。
 そういった状況を踏まえると、本来であれば知らずに済んだ異常が、検査によって見つかってしまった子供にとって、甲上腺のガンを探すことになんのメリットがあるのかという意見もあるんです。
 他のガンだったら、「早く見つかってよかったね」ってなるんだけど。甲上腺ガンの場合、命に別状がないとはいえ、ガンはガンだから、既往歴がガンだってことになる。そうすると、たとえば、生命保険に入る際や、さまざまなところに影響もあるんですよね。

知ろうとすること。
早野 龍五 (著), 糸井 重里 (著)
新潮社 (2014/9/27)

 

知ろうとすること。 (新潮文庫)

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  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/09/27
  • メディア: 文庫




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