知らないことは知らないと言おう

　診療の場で患者さんから、聞いたことのない治療法や手術の手法について質問されることは僕にもある。僕だってちょっと知ったかぶりをしたくなることもあるけれど、そこは努めて正直に、知らないことは知らなかったと認めることにしている。
「それは知りませんでした。調べてみましょう」と、ときにはその場でネットを検索したりする。
　そのせいで「なんだこの医者は、こんなことも知らないのか」と幻滅されるようなことは、たぶんない。

「NO」から始めない生き方~先端医療で働く外科医の発想
加藤 友朗 (著)
ホーム社 (2013/1/25)
P167

「NO」から始めない生き方 先端医療で働く外科医の発想 (集英社文庫)

• 作者: 加藤 友朗
• 出版社/メーカー: 集英社
• 発売日: 2022/01/20
• メディア: 文庫

 

 

晋山奉告文
　前略～
　また、ここに言うのです。
　私は、わからないことを、「わかった」としません。
　ただ宇宙の不思議とその心に、細心の注意をもって耳を澄ませようとします。
　そのような中でできるかぎり、深刻な顔であるよりも笑顔でありたいと思います。
～後略

ボクは坊さん。
白川密成 (著)
ミシマ社 (2010/1/28)
P124

ボクは坊さん。

• 作者: 白川密成
• 出版社/メーカー: ミシマ社
• 発売日: 2010/01/28
• メディア: 単行本

 人は少ししか知らぬ場合にのみ、知っているなどと言えるのです。多く知るにつれ、次第に疑いが生じて来るものです。
（ツェルターへ、一八二八年）

ゲーテ格言集
ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
新潮社; 改版 (1952/6/27)
P135

 

ゲーテ格言集 (新潮文庫)

• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2022/05/19
• メディア: 文庫

　

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