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「ごまかす気持ち」は感染する [社会]

 以上の結果を考え合わせると、ごまかしがごくあたりまえに行われること、そしてごまかしには感染性があり、周りの人の問題行動を目撃することで量が増える場合がることがわかる。
具体的言うと、わたしたちをとり巻く社会的な力は、二つの方法で作用するように思われる。ごまかしをする人が自分と同じ社会集団に属しているとき、わたしたちはその人を自分と重ね合わせ、ごまかしが社会的により受け入れられやすくなったと感じる。
だがごまかしをする人がよそ者だと、自分の不品行を正当化しにくくなり、その不道徳な人物や、その人が属するほかの(ずっと道徳性の低い)外集団から距離を置きたいという願望から、かえって倫理性を高めるのだ。
 より一般的には、わたしたちが自分の行動(ごまかしをふくむ)の許容範囲をきめるうえで、他人の存在がとても重要だということを、これらの結果は示している。
わたしたちは自分と同じ社会集団のだれかが、許容範囲を逸脱した行動をとるのを見ると、それに合わせて自分の道徳的指針を微調整し、彼らの行動を規範としてとり入れるのだろう。その内集団のだれかが、権威のある人物―親や上司、教師、その他尊敬する人―であれば、引きずられる可能性はさらに高くなる。

ずる―嘘とごまかしの行動経済学
ダン アリエリー (著), Dan Ariely (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
早川書房 (2012/12/7)
P231

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: Kindle版

 

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P275
だれもがごまかしをする能力をもっている。またごまかしをする自分がなぜ不正直でも不道徳でもないのか、その理由を説明する物語を自分に語るのがとてもうまい。
さらに始末の悪いことに、わたしたちは他人のごまかし菌に「感染」しやすく、またいったん不正なことをし始めると、同じ方法で不品行を続ける可能性が高い。

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: Kindle版

 


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