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超然の術を身につけよ [倫理]

 まず第一に、「超然の術」(art of detachment)を早い時期に身につけていただきたい。それは、若さにつきものの娯楽や快楽から自らを隔離する能力を意味する。
人間は生来、怠惰の権化である。他のエデン的な性質は残骸として残っているに過ぎないが、怠惰という性質だけは原始時代そのままの強烈さを保っている。快楽を求める代わりに労苦のほうを選ぶ人もたまにはいるが、大多数の者は人間の弱点を持つアダムと真剣に格闘しなければならない。そして、快楽を軽蔑し労苦多い歳月を過ごすのは容易ではないと悟る。~中略~
 諸君に向かって、勉学ばかり身を入れすぎてはいけないと警告する必要はないと思う。若い医学生で血気盛んな時代が在学中に無味乾燥なものになってしまった、という人はいまだお目にかかったことがないからである。

平静の心―オスラー博士講演集
ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P51

DSC_0926 (Small).JPG両子寺


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