所を得る [言葉]
人でもものでも、それが一番喜ばれる場所、生きる空間に行かせてやりたい。
家の片隅に、使われもせず喜ばれもせずに放置されるなんて悲しいことに、私は耐えられない。
食べものの場合ならなおさら、新しい状態のものを人に届けておいしいと言ってほしい。
所を得る、という言葉がある。私は数学もできず、絵を描くことも不得手、音楽の耳もなかった。
しかし文章だけは書けたから、どうにか作家として書き続けて来られた。
つまり所を得させてもらったのである。
人生の原則
曾野 綾子 (著)
河出書房新社 (2013/1/9)
P29
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