力がないと生きられない [処世]
世界の国々の生きる道は三つしかない、と私はかねがね書いている。圧倒的な政治力か、経済力か、それとも技術力である。いずれにせよ力である。
力を悪いものと考える人がいるが、それは現実を見ていない人である。喧嘩の強いのも、長い道のりを歩けるのも、自分の命を他人のために投げだすのも、すべて力の結果である。人のために死ねるのは徳の力なのである。
いずれにせよ、それらの力は一朝一夕に身につくものではない。長い年月そのことに没頭し、寝ても覚めてもそのことを考えているという境地を経ないと、誰もその地点に到達できない。
つまりその道のプロにはなれないのである。
曾野 綾子 (著)
河出書房新社 (2013/1/9)
P181
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