律院 [見仏]
「律」というのは僧侶の生活規範のことで、その律をもって専門的に成立している寺をどの宗旨(天台宗、真言宗、浄土宗)でも律院という。
カトリックにおける修道院のようなものである。修道院がそうであるように律院というのは寺の建築にも余計な装飾がなく、建物の規模も小さい。
ただ境内が嵐気を帯び、ちりひとつとどめず、全体が凛然としていて、むろん観光料はとらないという点でいずれも共通している。
たとえば浄土宗の律院は谷崎純一郎氏の墓のある京都の法然院で、法然院に入れば山内の空気が緊張していていかにも律院というにふさわしい。
街道をゆく (3)
司馬 遼太郎(著)
朝日新聞社 (1978/11)
P235
一乗寺
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